研究課題/領域番号 |
02152009
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野 哲也 東北大学, 医学部, 教授 (00107509)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 分化 / 老化 / 癌化 / オンコジ-ン / DNAメチル化 / DNAメチル転移酵素 |
研究概要 |
マウスの分化、老化、癌化のすべての過程でcーmyc遺伝子のメチル化が変化することを見出したので、この変化が何によって起こるのか、またこの変化がどれ程重要であるのかを解明するのが本研究の目的である。いくつかの研究アプロ-チの中から今年度は以下の事を明らかにした。 (1)分化や老化の速度がマウスより数10倍遅いヒトの肝でのcーmyc遺伝子のメチル化の変化速度を調べるとマウスより約20倍低く、cーmycのメチル化の変化は種を越えて加令速度を反映したものであることが分かった。 (2)DNAメチル化の変化がcーmyc遺伝子上にだけ起こるものかそれともゲノム全体にわたって起こるものかを把握するために、全DNA中に含まれる5メチルシトシン量がマウスとヒトの加令過程でどのように変化しているかをHPLCを用いて測定した所、2つの種で同じ変化は見られなかった。従って5メチルシトシン量は加令のよい指標ではないこと、またcーmyc遺伝子での変化とゲノム全体でのメチル化の変化は平行したものではないことが分かった。 (3)DNAメチル化を変える要因としてDNAメチル転移酵素があげられるが、この酵素のmRNAは肝では生後間もなく低下することが分かった。従ってcーmycのメチル化の変化は残っているごく少量の酵素が行なっていると推測される。この因果関係を明らかにするために、人工的に酵素活性の高いマウス(トランスジェニックマウス)の作成を始めている。 (4)DNAメチル化を変える外的要因として放射線があげられることが分かった。しかもその影響は増殖組織よりも非増殖系の組織で顕著に現れた。
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