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担癌生体の肝類洞に見られるTcRγδ細胞の増殖とその活性化機構

研究課題

研究課題/領域番号 02152011
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

安保 徹  東北大学, 歯学部, 講師 (30005079)

研究分担者 増田 高行  東北大学, 医学部, 助教授 (00113910)
力石 秀実  東北大学, 歯学部, 助手 (70091767)
清水 義信  東北大学, 歯学部, 助教授 (20005078)
研究期間 (年度) 1989 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワード担癌 / 肝類洞 / γδT細胞 / αβT細胞 / 胸腺外分化 / 腫瘍
研究概要

ヒトの剖検例において、担癌患者と非担癌患者の肝由来単核細胞中におけるγδT細胞の割合を調べたところ、担癌患者の約6割において、γδT細胞が15%以上の高値を示した。このような傾向は、担癌患者の末梢血や脾臓中のリンパ球には見られない。
このようなヒトのデ-タから、本年度はマウスにおいて、担癌状態と肝γδT細胞の動態を詳しく検索した。C3H/HeマウスにsyngeneicなMH134腫瘍細胞株をマイトマイシン処理して1×10^1腹腔投与したところ、肝類洞に単核細胞の増多が誘導され、この中の15%はγδT細胞であった。コントロ-ルマウスの肝には10%以下のγδT細胞しか存在しない。さらに興味深いことは、このようにして誘導した肝のγδT細胞は、芽球様の形態を示し、<in>___ー <vitro>___ーで自発増殖能を示すことが明らかになった。このことは、γδT細胞が肝類洞で胸腺外分化している可能性を示唆している。
肝のγδT細胞は、PCR法によってそのV gene segment使用を検索するとVγ1or2/Vδ6を好んで使用していて、胎生期の胸腺由来とされる皮膚や腸管に存在するγδT細胞とは性状が異なっている。担癌刺激によってVγ1or2/Vδ6以外のV geneも肝に出現することから、肝は他のV geneを使用したいろいろなγδT細胞を分化、増殖されるポテニシャルをもっているものと考えられる。
以上のような肝類洞における特有なγδT細胞の誘導のみならず、胸腺外分化の特徴をそなえたαβT細胞をも誘導していることも、本実験で明らかになった。抗腫瘍免疫において、以上のような肝類洞で胸腺外分化してくるγδやαβT細胞が重要な役割を果たしているものと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 安保 徹: "Liver is a possible site for the proliferation of abnomal CD3^ー4^ー8^ーdoubleーnegative lymphocytes in autoimmue MRLーlpr/lpr" J.Exp.Med.172. 7-12 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 安保 徹: "Identification of activated T cell receptor γδ lymphocytes in the liver of tumorーbearing hosts" J.Clin.Invest.86. 409-415 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 安保 徹: "Induction of human TCRγδ^+ and TcR γδ^ーCD2^+CD3^ー double negative lymphocytes by bacterial stimulation" Int.Immunol.2. 775-785 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 安保 徹: "An appropriate <in>___ー <vitro>___ー culture condition for the induction of human TcRγδ cells by heatーkilled bacteria" J.Immunol.Methods.(1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 安保 徹: "Generation of forbidden T cell oligoclones in the liver of mice infected with bacteria" J.Exp.Med.(1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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