研究概要 |
1、ヒト細胞(HeLa)の粗抽出液をFPLC Mono Qカラムにかけ、非常に緩い塩濃度勾配で溶出することにより、粗抽出液中のDNA依存性ATPaseを5つのピ-クに分離することができた。これらのピ-クを溶出の順にQ1〜Q5と名付けた。 2、1の方法をXPのA,C,D、E、F、G群の細胞および正常細胞の抽出液に適用したところ、C群の細胞抽出液を除いて全ての細胞抽出液でQ1〜Q5のピ-クが観察された。C群の細胞抽出液では、Q1の位置のピ-クが消えQ2のピ-クが大きくなっていた。 3、HeLa細胞からDNA依存性ATPase Q1,Q2を精製した。 4、精製したQ1,Q2の性質を調べたところ、Q1は塩に抵抗性を示し、200mM Kcl存在下でも活性はKClが存在しない時と同程度であった。一方、Q2はこの条件下でほとんど活性を示さなかった。また、Q2はDNAヘリカ-ゼ(二本鎖DNA巻きもどし)活性をもっていた。 5、4でわかった性質を利用してC群で変異の観察されたピ-クを調べたところ、C群ではQ1がQ2に重って溶出されていることがわかった。 6、Q1の溶出位置のずれは、調べたC群全て(5クロ-ン)で観察された。 以上より、XPC群細胞における変異は、DNA依存性ATPase Q1に関連した蛋白の変異によることが示唆された。
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