研究課題/領域番号 |
02152026
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 正幸 東京大学, 理学部, 教授 (40114706)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1990年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 分裂酵母 / ras / GAP / アデニル酸シクラ-ゼ / 有性生殖 / 接合フェロモン / Gタンパク質 |
研究概要 |
1.分裂酵母で接合を不能にする遺伝子として知られていたste6遺伝子の産物が、rasタンパク質の活性化に関わる因子であることを示した。塩基配列決定の結果、ste6は出芽酵母のRAS活性化因子CDC25とC末端に相同性をもっていた。このste6遺伝子の転写はcAMPカスケ-ドの支配下にあり、外界の窒素源の欠乏により誘導された。 2.活性型rasl変異と同様の表現型を示す分裂酵母突然変異株を13株分離し、遺伝解析を進めた。それらの中に動物細胞のGAP(GTPase Activating Protein)に対応する遺伝子(gaplと命名)の突然変異が含まれていることをクロ-ニング・塩基配列決定によって確認した。 3.出芽酵母ではrasタンパク質の標的になっているアデニル酸シクラ-ゼの、分裂酵母における性状に検討を加えた。まずこの酵素に対する分裂酵母遺伝子をクロ-ニングし、全塩基配列を決定した。つぎにアデニル酸シクラ-ゼ遺伝子が破壊された分裂酵母細胞を作製した。出芽酵母と大きく異なり、このような細胞は、cAMPレベルがゼロでありながらも生育可能であった。またそれらは有性生殖に対して常に脱抑制されていた。 4.分裂酵母の接合型特異的接合不能変異の解析から、接合フェロモン受容体の遺伝子クロ-ニングに成功した。また、分裂酵母より2種類のGタンパク質αサブユニット遺伝子をクロ-ン化し、そのひとつが接合フェロモン認識に関わっていることを示した。分裂酵母のrasタンパク質の分子機能の解明には、分裂酵母が接合フェロモンを認識する情報伝達経路の分子レベルでの理解が必須であり、rasタンパク質の標的の同定にむけて、これらの成果は重要なものということができる。
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