研究課題/領域番号 |
02152029
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊庭 英夫 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60111449)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1990年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | <fra>___ーー2遺伝子 / <fos>___ー遺伝子 / <jun>___ー遺伝子 / 遺伝子発現 / 転写制御因子 / タンパク質リン酸化 / エンハンサ- / lmmediate early genes |
研究概要 |
今年度は、<fra>___ーー2遺伝子の発現様式とFraー2(<fra>___ーー2遺伝子産物)の生化学的機能に関する基礎的な情報を得るために以下の研究をおこなった。 1.血清飢餓により休止期にあるニワトリ胚線維芽細胞(CEF)を血清やTPA、cーAMP、カルシウムイオノフォアにより刺激すると、6.8kと5.7kの<fra>___ーー2mRNAの一過的な発現をしめしたが、誘導のkinetics は、<fos>___ーmRNAよりやや遅れ、またshutーoffが起こる時期も<fos>___ーのそれよりかなり遅れた。注目すべきことは、休止期においても6.8kのfraー2mRNAのみがbasal level での発現を示す点である。実際に、休止期においては、低いレベルでリン酸化を受けた40ー46kにわたる種々の分子種のFraー2タンパク質が特異抗体により検出され、これらは血清刺激により、強いリン酸化を受けて46kのタンパクへとすみやかに変化した。リン酸化を受けるアミノ酸は、セリン残基のみであって、リン酸化の程度にかかわらず、Fraー2は、細胞内で効率よくcーJunとheterodimerを形成可能であった。CEF内で観察されるbasal level のAPー1結合活性は、このFraー2/Jun heterodimerによるものと考えられる。 2.ニワトリcーDNAライブラリ-の中から、<fra>___ーー2 mRNAのcーDNAを単離し、<in>___ー <vitro>___ーでFraー2の生化学的性質を調べて以下の結果を得た。 1)Fraー2は、FosとほぼおなじkineticsでJunと結合し、安定なdimerを形成する。 2)このheterodimerは、Fos/Junと同様、種々のApー1をふくむエンハンサ-と結合する。 3)Fraー2は、Fosと異なり、Junとともにcotransfection法でF9細胞中で発現させてもTREーCATのレポ-タ-からの転写を促進しない。 4)Fraー2とFosのキメラタンパク質の解析から、Fosの転写活性化配列はC端側にある。 3.<fra>___ーー2遺伝子の5'ーflanking regionの塩基配列を決定するとともに、転写の開始部位を同定し、1で見られた2種のmRNAが開始部位の違いによることをしめした。
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