研究課題/領域番号 |
02152030
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片桐 拓也 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70126100)
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研究分担者 |
須田 容子 理化学研究所, 研究員 (90201582)
仙波 憲太郎 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70206663)
狩野 恭一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80152825)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1990年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | Srcファミリ- / fyn / チロシン燐酸化酵素 / lpr / Tリンパ球 / T細胞抗原レセプタ- / 遺伝子導入 |
研究概要 |
srcファミリ-遺伝子fynの発現制御機構と、その産物p59^<fyn>チロシンキナ-ゼ(fyn)の生理的機能を解析して以下の知見を得た。 (1)発現:lprマウスで腫大リンパ節を構成する異常Tリンパ球においては、正常Tリンパ球に比べて約15倍のfyn mRNAの増大が認められるが、nuclear run on assayとactinomycinDを用いたfyn mRNA代謝速度の検定結果から、Iprリンパ球ではfyn nRNAのstabilityが増大していることが判明した。一方、活性化正常Tリンパ球に認められる一過性誘導発現では、核における転写量が増大していた。更に現在、前年度見だした前駆Bリンパ球におけるfynの高レベル発現がいずれの機序によるか検討している。 (2)機能:免疫沈降法とin vitro kinase assayとを組み合わせることによって、FynがTリンパ球抗原レセプタ-(TcR)と会合していることを見出した。このことはTcRと共にdown modulationされることからも示唆され、またFynの5乃至10%がTcRに会合していた。TcRへの会合量はlprTリンパ球では正常の2.5倍であり、リンパ腺腫脹の形成との関連が示唆された。このlprTリンパ球においては、活性化Tリンパ球と同様にTcRのシグナル伝達分子CD3ζ鎖が構成的にチロシン燐酸化されているが、CD3ζ遺伝子とfynとのcoーtransfectionの系を用いて、CD3ζがFynの基質になり得ることが示された。更にlprTリンパ球でGAP(GTPaseーactivating protein)のチロシン燐酸化も判明し、Fynを介した伝達系の一端が明らかとなった。TcRに会合するFynの機能を知るため、現在更に、作成した種々の活性型及び不活性型fynを導入発現させた抗原特異的T細胞ハイブリド-マの反応性を解析している。
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