研究課題/領域番号 |
02152063
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野村 大成 大阪大学, 医学部, 教授 (90089871)
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研究分担者 |
加藤 秀樹 実験動物中央研究所, 室長 (30142053)
大熊 重三 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (60029858)
藤堂 剛 大阪大学, 医学部, 助手 (90163948)
福島 久雄 大阪大学, 医学部, 助手 (70199214)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1990年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 放射線 / 白血病の高発と促進 / 遺伝子変異 / マウス系統差 / 免疫不全マウス / RI系統 / 父親被曝 / ヒトとの比較 |
研究概要 |
約20年にわたり、膨大な数のマウスを用いた放射線あるいは化学物質誘発がん突然変異の研究から明らかになったことの1つに、ヒトおよび動物集団に存在する高発がん遺伝素因がある。その中で、放射線誘発白血病をえらび実験を行い、以下の成果を得た。 1.我々の維持している約100系統の近交系マウスの中から、白血病関連遺伝子研究のため選びだした系統C57BL/6J、N4、HRS/J、AKR/J、AKR/Jーnu^<str>、RF/J、SJL/J、C3H/HeJ、PT/7a、HT、ST/6J、Mus spretus、dsuにX線170cGyを生後6週齢より毎週1回計4回急照射した。放射線による白血病高発系としてC57BL/6J、嫌発系としてMus spretus、dsu、C3H/Hej、PT、HT、中間系としてST/b、N4が分類された。AKR/J、AKR/Jーnu^<str>、HRS、STL/Jは、自然発生の潜伏期が短縮された。 2.C57BL/6JおよびN4と抵抗系C3H/HeJを交配し、F_1、F_1のC3H/HeJへのバック・クロスB6・C3F_1BC、N4・C3F_1BC、およびC57BL/6JとC3H/HeJのRecombinant Inbred(RI)系(BXH)に放射線を照射し、白血病発生率と潜伏期を調べている。F_1は中間型に分布する。RI系を用いた実験は継続中である。 3.Scid(Severe combined immunodeficiency)マウスは、通常マウスにX線を照射した直後と同じ状態になっている。このscidマウスに正常新生児胸腺を皮下移植すると、放射線も化学発癌物質の投与なしに白血病化することを発見した。 4.Sellafield核燃料再処理工場での父親被曝によるF_1での白血病多発に関する疫学調査に対し、Relative risk、倍加線量、1mSvあたりの白血病発生率について、マウスでの実験結果と比較検討した。Gardner報告とでは、かなり大きな差があり、ヒトでの追加調査を必要とする。 5.マウス間期死反応は、前述の白血病高発系で高く、嫌発系と中間系ではdsuを除き、低い値を示した。現在のところ、相関はあるようだ。
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