研究課題/領域番号 |
02152067
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三好 淳 大阪大学, 微生物病研究所・発癌遺伝子検索細胞センター, 助手 (80166214)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1990年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | がん遺伝子 / <cot>___ー遺伝子 / タンパク質キナ-ゼ / ハムスタ-SHOK細胞 / DNAトランスフェクション / 形質転換 / 甲状腺がん / 遺伝子クロ-ニング |
研究概要 |
本研究の一環として、ハムスタ-SHOK細胞系を確立した。本年度は、これを用いてヒト甲状腺癌細胞より分離された新しいがん遺伝子<cot>___ーの生化学的活性とその活性化機構を明らかにした。 <cot>___ーがん遺伝子のcDNA塩基配列から予想される蛋白は、protein kinase群と43ー45%の類似性を有し、Kinase活性に必須と考えられている15のアミノ酸を保存していることが分かっていた。そこで、この蛋白のKinase活性を検出するため2通りの解析を行なった。第一に、<cot>___ーがん蛋白のN末端側にネコ肉腫ウイルスGRーFeSVの<gag>___ー遺伝子産物を融合させたキメラ遺伝子を試験管内で作成し、<gag>___ー蛋白に対する抗体を利用して、形質転換細胞の抽出液中の<gag>___ーー<cot>___ー融合蛋白P60を免疫沈降させ、in vitro自己リン酸化活性を見いだした。第二に、cot蛋白のN末端とC末端側に対応する合成ペプチドに対する抗体を用いて、同様にcot蛋白P52の自己リン酸化活性を検出した。いずれの場合も、自己リン酸化はserine残基に生じており、<cot>___ーがん遺伝子はscrine/thrconine kinase系のがん遺伝子であることが明らかになった。 <cot>___ーがん遺伝子の活性化機構を解明するために、ヒト胎盤DNA、甲状腺がん細胞、およびSHOK形質転換細胞における<cot>___ー遺伝子の構造および8個のexonの全DNA塩基配列を比較した。その結果、ヒト胎盤DNAと甲状腺癌細胞における<cot>___ー遺伝子の構造には変化が認められないのに対し、<cot>___ーがん遺伝子では、3'領域の組換部位が第8exon内に存在することが分かった。従って、<cot>___ーがん遺伝子産物は正常<cot>___ー遺伝子産物のC'ーterminal truncationを受けたものに相当すること、また、<cot>___ーがん遺伝子の活性化は、甲状腺がん細胞DNAのSHOK細胞へのtransfectionに際して生じたものであることが明らかになった。
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