研究課題/領域番号 |
02152093
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
橘 宣祥 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (90094094)
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研究分担者 |
岡山 昭彦 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (70204047)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | HTLVーI / ATL / PCR / 異常リンパ球 / CD25 / 危険因子 / cohort study |
研究概要 |
HTLVーIはATLの原因ウイルスである。しかし本ウイルスキャリア-からATLが発症する過程の危険因子に関しては明らかにされていない。 末梢血に異常リンパ(ABLY)を認めるキャリア-は、ATL発症のリスクが高い群と推測されている。そこでATL発症危険因子としての評価を行うため、これらのキャリア-のリンパ球のDNAについてPCRによるHTLVーIプロウイルスDNAの半定量的測定を行った。 〔対象と方法〕宮崎地方の住民で1988、1989年に末梢血白血球検査、1989、1990年にリンパ球表面マ-カ-の測定を行い、同時に末梢血単核細胞(PBMC)を採取保存した73名で、男25名、女48名、平均年令は60才。 PCR法はHTLVーIのpX領域のSK43/44をプライマ-とし、PBMCのDNA1μgをtempletとし40回の増幅を行い、産生されたDNAは2%アガロ-スゲル泳動後エチジュムブロマイド染色し、HUT102の10、1.0および0.1ngを同様に増幅し泳動したバンドの濃度と比較して半定量的に測定した。すなわち、高値:HUT102DNA10ng(9.8×10^3コピ-)、中等度:1.0ng(9.8×10^2)、低値:100pg(9.8×10)とそれ以下に分類した。 〔結果と考察〕異常リンパ球(ABLY)陽性者ではDNAが高値のものが14/18(78%)であり、陰性者の12/55(22%)より高値であった(p<0.001)。また、DNA高値でABLY陽性のものは男のほうが効率である傾向が見られた。リンパ球表面抗原のうちCD25陽性率はABLY陽性・DNA高値群が16%と上昇を示した(p<0.001)。 以上の結果からABLY保有者は感染リンパ球の増加があることが明らかでとくにプロウイルスDNAが高値のものは感染細胞の増加があり危険因子が高いと考えられた。またキャリア-の追跡調査、ことに発症の危険因子の検索という点を中心とする研究においてはとPCR法による基礎デ-タが重要で不可決と考えられた。
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