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GSTーπ結合性抗炎症剤による抗癌剤耐性の克服

研究課題

研究課題/領域番号 02152097
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関札幌医科大学

研究代表者

新津 洋司郎  札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)

研究分担者 石垣 聖史  札幌医科大学, 医学部, 助手 (90211036)
高後 裕  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10133183)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1990年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
キーワード抗癌剤耐性 / GSTーπ / 抗炎症剤 / ケトプロフェン / 光学異性体 / 耐性克服 / アンチセンスGSTーπ / トランスフェクション
研究概要

1.酸素活性阻害法により抗癌剤をGSTーπ結合性と非結合性に分類した。Etoposide,Adriamycin(ADM),Methoーtrexate,DaunomycinおよびCisplatinは結合性、Bleomycin,Vinclistine,Vinblastine,5ーFluorouracil(5ーFU)は非結合性抗癌剤に分類された。2.ELISAによるGSTーπ測定結果より、細胞内GSTーπ濃度の高いヒト癌細胞株としてPLC/PRF/5(肝癌細胞),HLF(肝癌細胞)を、GSTーπ濃度の低い細胞株としてHep G2(肝芽腫細胞),TMK1(胃癌細胞)を選択し、GSTーπ結合性抗癌剤であるADMに対するIC_<50>を測定した。IC_<50>は前者で高く、後者で低かった。また、GSTーπ結合性抗癌剤Etoposideでも同様の結果であった。つまり、これらの抗癌剤については細胞内GSTーπ濃度と、IC_<50>に相関が認められ、GSTーπの耐性への関与が考えられた。一方、GSTーπ非結合性抗癌剤であるBleomycin,5ーFUではこのような関係は見られなかった。以上の結果、GSTーπと抗癌剤耐性を論ずる時にはまず両者の結合性を明らかにする必要があるものと考えられた。このような見地から、抗癌剤のGSTーπへの結合を阻害する物質を耐性克服剤の候補として捜索した。その結果、抗炎症剤mーbenzoylhydratropic acid(Ketoprofen)が強力な阻害作用を有することを見いだした。KetprofenはGSTーπ結合性を有し、その結合様式はGSHに対しては競合的、CDNBに対しては非競合的であった。3.GSTーπアンチセンスmRNA発現ベクタ-を作製し、ヒト大腸癌細胞M7609にトランスフェクトしたところ、細胞内GSTーπ濃度の低下が認められた。トランスフェクタントの抗癌剤感受性について、現在検討中である。4.Ketoprofenを光学異性体であるd体と1体に分離したうえで、それぞれのADM耐性克服作用について検討した。両異性体とも同程度の克服作用を示したが、生物学的活性を有しない(消炎作用等を有しない)d体は副作用の点から、臨床応用には有利と考えられた。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Niitsu,S.Ishigaki,et al: "Glutathione Sーtransferases and drug resistance" Taylor & Francis, 459 (1989)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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