研究課題/領域番号 |
02201110
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
島崎 邦彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (50012951)
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研究分担者 |
中井 信之 名古屋大学, 理学部, 教授 (40022529)
岡村 眞 高知大学, 理学部, 助教授 (10112385)
千田 昇 大分大学, 教育学部, 教授 (90111236)
中田 高 広島大学, 文学部, 助教授 (60089779)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 活断層 / 地震断層 / 新潟地震 / 東北日本内帯 |
研究概要 |
東北日本内帯の被害地震の代表例として、海底下に存在する1964年新潟地震断層を調査し、地震の発生間隔が1800年程度であると推定した。 一般に日本付近の活断層から発生する地震の繰り返し間隔は、太平洋岸沖のプレ-ト境界の地震で100年程度、内陸のプレ-ト内地震では1000年より長いとされている。近年、東北日本の日本海沖にプレ-ト境界を設定する仮説が提唱され、東北日本内帯の地震もユ-ラシアプレ-トと北米プレ-トとの境界で発生する地震ではないかとの議論が起こっている。プレ-ト境界の地震であれば、その発生間隔はプレ-ト内地震より短いと考えられ、内陸地震の特性評価に重要な影響を及ぼす。特に、1964年新潟地震に関しては間接的ではあるが繰り返し発生間隔を560年とする推定があり注目される。本研究では新潟地震の地震断層を調査することにより、直接地震の繰り返し間隔を推定した。その結果、約1800年と求められ、他の内陸地震と変わらないことが明かとなった。 まず、新潟地震の地震断層として確認されている、粟島の南方約15kmの海底のS3断層付近で音波探査を行った。S3断層は走向約N35Eで東落ち、長さ約3kmにわたり連続していることが判明した。また、併走する西落ちの、新潟地震時に活動しなかったと推定される断層も発見された。S3断層では海底に約1ー1.5m程度の新潟地震時に形成された断層崖が認められる。一方、海底より6m下の地層は約3m食い違っており、明らかに変位の累積性が認められる。さらにピストンコアラ-により、S3断層を挟む二地点の海底堆積物を海底下6.2mおよび7.3mまで採取し、両地点での地層の対比から過去の地震発生時および地震時変位量を復元した。暫定的な結果ではあるが、約2,500ー3,000年前に地震時の推直変位量約1mの地震、約3,500ー3,800年前に変位量約40cmの地震が発生したと推定される。1964年新潟地震を含め、地震の平均発生間隔は約1800年となる。
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