研究課題/領域番号 |
02201116
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
福岡 捷二 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30016472)
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研究分担者 |
成田 彰次 (財)日本不動産研究所, コンサルタンツ部, 主任研究員
清治 真人 (財)国土開発技術研究センター, 調査第一部, 次長
吉本 俊裕 建設省土木研究所, 河川部, 室長
吉川 秀夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10016230)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1990年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 破堤 / 氾濫 / 密集市街地 / 都市防災計画 / 耐水都市 / 総合治水対策 |
研究概要 |
既成市街地は、密集家屋とその間を網目のように連なる道路群で特徴づけられる。このような既成市街地を貫流する河川の堤防が破堤した場合には、氾濫水の大部分は道路を勢いよく流下して行くことになる。このような地域特性をもつ流域の氾濫水の挙動を正しく見積ることは安全な場所に確実に人々が避難するために特に重要である。既成市街地の氾濫水の挙動が精度よく推定できれば、他の河川、例えば利根川のように大部分が田園地帯からなる流域の氾濫流のシミュレ-ションも容易である。 本研究では家屋、道路、盛土構造物などを考慮にいれた既成市街地の氾濫流に適用可能な数値解析モデルを構築することに成功し、これを用いて既成市街地における氾濫流の基本的諸特性を明らかにした。多摩川流域に存在する地下利用施設の数を種類ごとに調べ、前述の既成市街地における氾濫モデルに組み込むことによって既成市街地における水害の被害分析を行うための準備をした。最後に、昭和22年、カスリ-ン台風による利根川破堤による氾濫水に挙動を自治体に埋もれていた種々の文献により調べ次の点を明らかにした。利根川の氾濫水は、まず、利根川とほぼ平行に流れている古利根川、庄内古川、中川の上流部でこれら河川に侵入し、河道内を進むにつれてこれらの河川の堤防を次々と溢水破堤させた。このように大河川からの氾濫水がその通過経路内にある中小河川に入り込み破堤させることによって沿川の町村に予想以上の早さで、大きな被害を与えたことが明らかになった。従って、大河川の想定氾濫区域内にこのような特性をもつ地域の氾濫解析にあたっては、周囲の中小河川を組み込んだ新たなモデルで解析して行くことが必要であることがあきらかになった。今後は、これらの数値モデル、収集した各種情報を用いて、氾濫被害を小さくする対策と被害の少ない地域づくりを検討し、耐水都市の提案を行うつもりである。
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