研究課題/領域番号 |
02201131
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鈴木 義則 山口大学, 農学部, 教授 (70081495)
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研究分担者 |
早川 誠而 山口大学, 農学部, 助教授 (80038299)
角 明夫 鹿児島大学, 農学部, 助手 (70154622)
坂元 隼雄 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (50041231)
中山 敬一 千葉大学, 園芸学部, 教授 (90009697)
堀口 郁夫 北海道大学, 農学部, 教授 (10001439)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1990年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 伊豆大島 / 火山災害 / 桜島 / 新噴出火山灰 / スコリア / 生育抑制機構 / 農作物被害 |
研究概要 |
本研究では1)農作物の被災事例の資料解析、2)新噴出火山灰の化学性の解析、3)新噴出火山灰の農作物の生育抑制機構と被害発生予測法の検討などを北海道、関東、九州を対象に行った。 (1)火山活動の経年変化特性:桜島の活動は1970年代後半から本格化し、近年火山灰量は増大傾向にある。 (2)雨害、台風害、火山災害とその他が農作物被害額に占める割合と火山災害の位置づけ:鹿児島全県レベルでは3要因がほぼ3分し、火山災害の順位は2、3位で持続的災害の特徴を示した。桜島内では第一要因である。 (3)島内の作物の被害状況の特徴:集中的降灰による急性障害(果樹の枝折れ、野菜類の埋没)、耕土表面への火山灰堆積による慢性障害、火山ガスによる葉焼け、枯死がある。島内の被害率は、1989年時点で果樹80〜90%、ダイコン60%、キヌサヤエンドウ10%台で、永年作物園の放棄が目立って増加している。 (4)新噴出火山灰付着成分の化学性の分析:桜島降灰(採取地鹿児島大・同市内)は1990.5〜1991.1でpH:4.59〜5.96、F^ー:26〜609、Cl^ー:100〜1250、SO_4^<2ー>:626〜4330mg/kg、水溶成分のF/Cl(モル比)は0.09〜5.64、Cl/Sは0.08〜3.87でCl/S月爆発回数に比例して高くなる傾向がみられた。伊豆大島のスコリアのF^ー、Cl^ー、SO_4^<2ー>の溶出量は桜島に比して極めて少なく、阿蘇山周辺の堆積火山灰土壌のpHは桜島と同程度であった。 (5)新噴出火山灰の農作物の生育抑制機構に関する実験解析:新鮮火山灰の耕土への混和度に応じて野菜の被害率が0%から95%に変化する関数関係を見出した。光遮断処理では葉への直接堆積より間接堆積の方が生長抑制が大であった。克灰対策である被覆栽培での予定外の生育悪化の説明、管理に対する問題提起となりうる。降下スコリアはダイズの生育初期では径2〜3cm、莢(結実)では約3cm以上が被害を起こすことがわかった。
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