研究課題/領域番号 |
02202201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村尾 直人 北海道大学, 工学部, 助手 (00190869)
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研究分担者 |
山形 定 北海道大学, 工学部, 助手 (80220242)
太田 幸雄 北海道大学, 工学部, 助教授 (00100058)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 酸性雨 / 長距離輸送モデル / 二酸化硫黄 / 硫酸 / 東アジア |
研究概要 |
本研究では、中国東部、台湾、韓国、北朝鮮を含む地域を対象として酸性雨現象のモデル化を行い、今後の環境保全対策に資することを目的とした。本研究で得られた結果を以下にまとめる。 (1)SO_2沈着量は、乾性及び湿性沈着がほぼ同等に寄与している。一方、SO_4^<2ー>沈着量は湿性沈着の寄与が大きく、その分布は降水量分布を反映したものとなっている。(2)SO_2、SO_4^<2ー>の地上濃度(国内)は、実測値とほぼ一致している。国外の観測デ-タが乏しいため、妥当性の評価はできないが、韓国(ソウル)、中国(重慶)等ではSO_2発生量が極めて高く、地上濃度も10pp以上となっている。(3)冬期の日本海測で、近隣諸国の発生源からの影響が強く見られたが、全体に計算値は実測値よりもかなり小さい値となった。これは、実測値のない日本海域での降水量を陸上の値を参考に与えているため、海域での沈着量を過剰評価しているためと思われる。また、夏期には、我が国への近隣諸国の発生源の寄与は小さいことが示唆された。(4)乾性沈着速度及び洗浄比の酸性降下物量に与える影響は大きく、特に洗浄比は局所的な沈着量に大きな感度を持つ。(5)本研究のような長期モデルでは国内の火山により影響の評価は難しいが、一部の測定点では、その影響が示唆された。 以上のように、実測から示唆されている近隣諸国の発生源からの影響が、本研究において確認され、また、感度解析によりモデルの挙動についても明らかにすることができた。しかし、計算値の妥当性の評価や日本海域でのデ-タの扱い等、検討が必要と考えられる点も少なくない。今後、使用デ-タの変更を含めて、モデルの改良を行う必要があろう。
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