研究課題/領域番号 |
02202209
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
蒲生 俊敬 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70143550)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 海水 / 全炭酸 / 二酸化炭素 / ク-ロメトリ- / 船上分析 / 西部太平洋 / 海底熱水系 |
研究概要 |
海水中に溶存する全炭酸物質(ΣCO_2)の時空間的濃度変動は、大気中で増加しつつある二酸化炭素の海洋への移行速度や、海底熱水ー冷湧水系にともなって海水中に供給される無機全炭酸物質のフラックスを明らかにするうえで、基本的かつ重要な情報を我々に与える。実際に日本近海の沖縄トラフで採取した熱水からは、中央海嶺型の熱水に比べ、数10倍のΣCO_2が検出され、それらは海底下でクラスレ-トとして存在していることが分かった。一般にΣCO_2濃度の時間変動は海水中のΣCO_2濃度に比べると極めて小さく、1μmol l^<ー1>のレベルまで正確に測定できる方法を普及させることが急務である。このようなΣCO_2の高精度簡易分析法として、本研究ではク-ロメトリ-(電量分析法)に着目した。海水中の全炭酸を定量的に弱酸に変え、これを電気分解で発生させた水酸イオンで中和滴定して終点までに消費した電気量を正確に測定する方法である。すでに市販品も出回り始めているが、本研究では研究経費の関係からすべて部品から組み立て、分析法の基礎的問題点や拡張性を探ることに務めるとともに、測定の自動化も試みた。東京大学海洋研究所・白鳳丸のKH90ー3次研究航海(1990.10.28〜1990.12.14)の際に、西部太平洋熱帯海域(北緯5度〜南緯5度、東経160〜180度の範囲内)と、ビスマルク海マヌス海盆の海底熱水活動域より、ΣCO_2測定用海水をガラス瓶に採取した。試料数は表層水から海底直上水まで、合計約200である。また、相模湾の断層に沿った冷湧水域の直上海水を含む深層水を、淡青丸KT91ー3次研究航海(1991.2.20〜1991.2.24)を利用して採取した。ク-ロメ-タ(製作中)の基礎的作動テストを完了した後、これらの海水試料の分析を行い、ΣCO_2分布の微細構造について考察を進める計画である。
|