研究課題/領域番号 |
02202216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
鎌谷 明善 東京水産大学, 水産学部, 教授 (30017032)
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研究分担者 |
前田 勝 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (40017083)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 東京湾 / 堆積物 / リン / 無機態 / 存在状態 |
研究概要 |
生物にとって利用可能と思われる海底堆積物中の無機態リンの存在状態についてはほとんど明らかにされていない。そこで本年度は、まず生物生産過程へ移行する潜在的可能性を有する堆積物中の無機態リンの形態別定量法について検討した。生物生産過程へ移行しやすいリンはAl,CaあるいはFeと結合している部分にあると考えられる。そこで、土壌中の無機態リンの代表的な形態別定量法であるChang & Jackson法と関谷法を用いて(1)個々の標準化合物、(2)3種類の標準化合物の混合物、(3)堆積物、(4)個々の標準化合物を添加した堆積物、及び(5)3種類の標準化合物の混合物を添加した堆積物を分析し、それらの結果について比較検討した。なお、標準化合物としてAlPO_4・2H_2O、3Ca_3(PO_4)_2・Ca(OH)_2およびFePO_4を用いた。 東京湾表層堆積物について両形態別定量法を適用した結果、分画法の違いによって抽出されるリンの総量並びに各分画のリン量に大きな差のあることが分かった。また、堆積物に標準化合物の混合物を添加した場合の回収率について、関谷法はChang & Jackson法に比べAlーP分画で検出されるリン量の割合が異常に高く(448%)、FeーPおよびCaーP分画での値は小さかった(34〜61%)。標準化合物あるいは標準化合物を添加した堆積物を用いた他の実験においても、関谷法はChang & Jackson法に比べ、回収率が100%から大きくかけ離れ、化合物の分離も悪かった。これらのことから、海底堆積物中の無機態リンの形態別定量のためにはChang & Jackson法を改良して用いることが適当と判断された。そこで、Chang & Jackson法に抽出液のpHを変えることにより、各種標準化合物に対して妥当性の高い回収率が得られるよう、条件を検討中である。今後、種々の形態のリン化合物を用いて検討を重ね、形態別定量法を確立する予定である。
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