研究課題/領域番号 |
02202220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
坂本 充 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (30022536)
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研究分担者 |
寺井 久慈 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助手 (10023855)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 脱窒 / メタン生成 / 自然水域 / 自然浄化 / 機能強化 / 底泥 / 有機物 / 環境管理 |
研究概要 |
本研究は、富栄養水域における窒素と有機物の主要な浄化機能である脱窒とメタン生成について、両機能を支配する因子の解明をはかり、それら結果を基に自然浄化機能強化に必要な環境管理プランの提出を目指す。この目的達成のため、本年は木崎湖と三河湾をフィ-ルドとして調査研究をすすめた。脱窒活性は木崎湖では毎月一回ずつ、三河湾では7月に、採泥器で採取した試料について、アセチレン阻害法により、十分な硝酸添加条件下、5℃で測定した。メタンは木崎湖で毎月一回採取した試水についてヘッドスペ-スにより測定した。 1.脱窒活性:木崎湖では、9月の最高値のあと冬に向かい急準激に低下、春から夏にむけて再び活性が上昇していく。測定水温と硝酸濃度から、この変化は底泥内の有機物量が大きくあずかっていると判断された。三河湾でも木崎湖と同じく、有機物供給の多い湾奥で活性高く、有機物生産の低い湾中央で活性が低い。この結果は、脱窒による水域の窒素除去機能強化には、適度な有機物供給が必要なことを示す。 2.メタン:木崎湖の水温成層の発達に伴い、20m以深ではメタン濃度が顕著に増加し、成層期末期の11月に最高値となり、メタンが環元的な底泥内で形成されていることを示す。12月以降の湖水の鉛直循環開始とともに高濃度メタンは消失し、以後循環期を通じて低い濃度が維持される。この低濃度は成層期間中のの10ー15m以浅のメタン濃度とほぼ同じレベルであり、大気との平衡濃度の200ー300倍にあたる。酸素濃度が0.1ー0.5mg/1以上でメタンは顕著に減少することから、水域の環境管管理に必要なメタンの生成促進と、湖水中における酸化促進には、湖水の成層化と、上層水中を酸化条件に保つことが必要であると判断された。
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