研究課題/領域番号 |
02202249
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
法村 俊之 産業医科大学, 医学部, 教授 (20039530)
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研究分担者 |
今田 肇 産業医科大学, 医学部, 助手 (50223326)
欅田 尚樹 産業医科大学, 医学部, 助手 (90178020)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 磁場 / 生物学的効果 / 放射線 / ヒトTリンパ球 / 培養細胞 / 超伝導磁石 |
研究概要 |
研究目的:本研究では、超強磁場が哺乳動物細胞の増殖、細胞致死あるいは突然変異誘発に影響を及ぼすか否か、ヒト生体試料としての価値が高いTリンパ球を用いて調べる。さらに、我々を取り巻く物理的環境要因として特に重要な放射線との複合影響についても検討する。 研究成果および考察:NMRスペクトル装置の超伝導マグネット部に、通常の培養条件と同等な温湿度、CO_2濃度が設定可能な細胞培養スタンドを作成し、6.3Tの定常超強磁場中で長時間連続曝露を可能にした。健常人末梢血より分離したヒトT細胞を6.3T定常磁場中で長期培養し、経時的な細胞数の計数による細胞増殖速度およびコロニ-形成率を調べた。末梢血より分離直後のT細胞は、約3日間の曝露で両指標ともに対照群の約50%と明らかな抑制効果が認められた。しかし、対数増殖期にあるT細胞では、約20時間の曝露で細胞数およびコロニ-形成率ともに対照培養の80%に阻害されるが、その後回復して増殖速度に変化は認められず、6.3Tの磁場環境に適応したものと考えられる。さらに、連続3日間の曝露でも、6チオグアニン抵抗性を遺伝的マ-カ-とした突然変異率は、対照群との間に有意差は認められない。これらは、6.3Tの強磁場でも、その生体影響は器質的変化を伴う不可逆的反応ではなく、一過性的な機能的変化を生ずる作用が主体となるものと考えられる。強定常磁場と他のエネルギ-との重畳効果の可能性として、T細胞の放射線感受性および亜致死障害の回復に対する影響を調べた。20〜24時間6.3T定常磁場に曝露したT細胞の250kVp X線に対するD_<37>値は1.25Gyで対照の1.78Gyに比し高感受性を示し、また、Go期T細胞の亜致死障害の修復過程(4GyのX線を2分割照射の時間間隔でのみ6.3T定常磁場へ曝露)でも磁場による抑制効果がみられた。
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