研究課題/領域番号 |
02203228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩原 弘育 名古屋大学, 工学部, 教授 (80023125)
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研究分担者 |
余語 利信 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00135310)
伊藤 秀章 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60109270)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1990年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | ペロブスカイト型酸化物 / イオン導電性 / 固体電解質 / 燃料電池 / セラミックス / 混合イオン導電性 / プロトン電導 / 酸化物イオン |
研究概要 |
1.新しい燃料電池用固体電解質の合成 SrCeO_3、BaCeO_3、SrZrO_3などを母体とした各種ペロブスカイト型酸化物を合成し、高温における導電性を電気化学的手法で検討した。その結果、BaCe_<1ーx>Sm_xO_<3ーα>(x=0.05〜0.15)がとりわけ良好なイオン導電性を示し、燃料電池の固体電解質として機能しうることを見いだした。 2.BaCe_<1ーx>Sm_xO_<3ーα>系固体電解質を用いた燃料電池の試作とその検討 上記セラミック板を固体電解質とし、多孔性白金を電極材として小型の水素ー空気燃料電池を試作してその性能について試験した。その結果、この電池は安定に作動し、BaCe_0. _9Sm_0. _1O_<3ーα>組成のセラミック(厚さ0.5mm)を電解質板とした電池では、1000℃において、端子電圧0.6Vで300mA/cm^2、短絡電流で800mA/cm^2という高い出力が安定に得られた。この電池の最大出力密度0.2W/cm^2(0.5V)はこれまで報告されているペロブスカイト型酸化物電解質を用いた燃料電池のうちでは最高値であった。実用電極材として、燃料極にニッケル、空気極材としてはLa_0. _6Ba_0. _4MnO_3やCa_0. _9Ce_0. _1MnO_3などが比較的良好な特性を示すことがわかった。 3.BaCe_<1ーx>Sm_xO_<3ーα>系セラミックスの燃料電池条件における混合イオン導電性 一般にBaCeO_3系酸化物は高温、水素の存在下でプロトンー酸化物イオン混合導電性を示す。そこで、燃料電池作動時にそれぞれのイオン種がどのような割合で導電にあずかっているかを検討した。その結果、800℃では、電解質中のプロトン電導と酸化物イオン電導の寄与はほぼ等しく、それ以下の温度ではプロトンが、それ以上の温度では酸化物イオンがより導電に寄与していることが明らかになった。
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