研究課題/領域番号 |
02204011
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 茂夫 京都大学, 工学部, 教授 (30026231)
|
研究分担者 |
中山 隆史 千葉大学, 理学部, 助手 (70189075)
藤安 洋 静岡大学, 工学部, 教授 (60022232)
小長井 誠 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40111653)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
1990年度: 15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
|
キーワード | 半導体量子構造 / 超格子 / レ-ザ / 分子線エピタキシ / 有機金属分子線エピタキシ / ホットウォ-ルエピタキシ / 原子層エピタキシ / バンド構造 |
研究概要 |
量子効果による新しい光・量子物性を実験的に発見、あるいは理論的に予言し、それらを指導原理とする新しい機能性材料・デバイス開発に向けての実験的理論的基礎研究を行うことを目的に研究を行った。得られた結果を下に記す。 (1)成長前にGaAs基板を硫化アンモニウムで処理することにより、原子レベルで平坦なエピ層成長が可能となり、動的RHEEDその場観察・解析によって膜厚制御性、界面急峻性の優れた超格子のMOMBE成長が可能となった。電子・正孔両方の閉じ込めが可能なZnSSe/ZnCdSe歪超格子を新たに提案し、歪を考慮したバンド構造の計算、構造の設計を行うと共に、作製した超格子により400Kまでの温度における光励起レ-ザ発振を得た。 (2)ALEによりZnSe/ZnTe短周期超格子を作製し、各層厚が2分子以上であれば設計通りの超格子が形成されること、またこの超格子系はfreeーstandingであることが明かとなった。ZnTeのALEでは理想的な堆積速度を得る条件と表面が完全に平坦となる条件が異なること、0.5分子層/サイクルでselfーlimitingがかかることを明かにした。 (3)HWE法によってCl添加ZnSe/ZnS超格子、Li添加ZnTe/ZnSe超格子を作製し、各々n=10^<19>cm^<ー3>のn型、p=4x10^<16>cm^<ー3>のp型を得、歪超格子が高濃度添加に有効であることを示した。CdS/ZnS(Mn)とZnS(Mn)を積層した活性層を持つEL素子を作製し、超格子構造によりMnに衝突するキャリアが増えて高輝度が得られることがわかった。 (4)第一原理に基く理論計算により、IIIーV/IIーVI族超格子GaP/ZnSの物性を検討し、界面から数層でボンド長の変化した結晶構造をとる、doping superlatticeの意味で空間的なタイプIIの超格子となっている、超格子のギャップ値がバルクのそれより小さくなる、電気伝導特性に異方性を与える、等の可能性を示した。
|