研究課題/領域番号 |
02205036
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小山 昇 東京農工大学, 工学部, 教授 (40134845)
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研究分担者 |
大坂 武男 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (80152099)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 生体機能 / 二分子膜 / 電子・イオン伝達 / 水晶振動子電極 / ビオロ-ゲン化合物 / ポリイオンコンプレックス / ユビキノン / 呼吸鎖電子伝達系 |
研究概要 |
本年度は以下の三つのテ-マについての研究成果について記述する。 (1)酸化還元活性であるビオロゲン化合物(C_<12>Az_0C_5EV^<2+>)とポリビニル硫酸(PVS)からなるポリイオンコンプレックス型二分子膜系を水晶振動子電極(QCME)上にLB法にて構築し、ビオロゲンの酸化還元反応およびそれに伴う物質移動過程を評価した。C_<12>Az_0C_5EV^<2+>/PVS LB膜の電気化学的応答および周波数変化はLB膜の累積数に大きく依存し、電位掃引を繰り返すことにより除々に周波数が増加した。系のコンダクタンス測定による膜の粘弾性評価を行なった。その結果、電位掃引は膜構造に何らかの構造変化を起こし、それが周波数の増加に起因すると推定した。長時間の電位掃引後の周波数応答は定常状態となり、ビオロゲンサイト1個の還元は陰イオン1個膜から放出し、また酸化は陰イオン1個を膜に取り込むとして理解された。 (2)ユビキノン、ピロ-ルを含むジオキサンー水混合溶媒中で電解酸化重合を行なった。得られた重合膜被覆金電極を支持塩のみを含む溶液中に移し、電位掃引を繰り返したところ、ポリピロ-ル膜自身の応答は除々に消滅し、代わってユビキノンのものと思われる新たな酸化還元応答が0.3Uvs飽和カロメル電極付近に現われた。このことはユビキノンを含む呼吸鎖電子伝達系薄膜での電子移動反応の詳細な解析が可能な薄膜系が構築できたことになる。作製した電極の電子移動媒体としての作用をアスコルビン酸の酸化反応に対して調べたところ、電子移動触媒作用を示した。 (3)フェロセンを活性サイトとして有するシロキサンポリマ-を合成し、このポリマ-とグルコ-スオキシタ-ゼ(GOx)を包括させたカ-ボン電極を作製した。測定溶液中に基質であるグルコ-ス溶液を加えたところ、フェロセンの酸化電流が大きく増加し、本電極がグルコ-スの酸化反応に対する電子シャトルとして作動することがわかった。
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