研究課題/領域番号 |
02205048
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
栗田 進 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30089833)
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研究分担者 |
横山 泰 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60134897)
栗田 雄喜生 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80114974)
武田 淳 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60202165)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 光記録材料 / 光メモリ / ホトクロミック材料 / 光反応速度 / フルギド / 量子収率 |
研究概要 |
フォトクロミック化合物ー光によって分子構造が可逆的に変化し、それに従って色も可逆的に変化する化合物ーは書換え可能な光記憶材料として注目されている。特に有機化合物においては、この構造変化が分子単位で起こるため超高密度記録が可能になる。本研究は有機フォトクロミック化合物であるフルギドについて、光構造変換速度及び変換量子収率の向上について調べた。 1)閉環反応速度とポリマ-マトリックス効果ーー3種類のポリマ-(PMMA,PS,NC)に1wt%のフリルフルギドを溶かしたフィルムについて、ピコ秒レ-ザフォトリス測定を行った。その結果、電子閉環反応はポリマ-には依存せず、10ピコ秒以内に完了することがわかった。2)高密度光記録材料として用いる場合、フルギドを高密度でポリマ-フィルム中に溶かさなければならない。このとき問題になるのはフォトクロミック分子間の相互作用である。これを、閉環体の発光寿命と発光スペクトルのフルギド濃度依存性から推測した。その結果、0.1M濃度以上では分子間相互作用が顕著になるが、0.01M濃度以下ではほとんど無視できることが分かった。このことから、もしフルギドをホ-ルバ-ニング材料として使う場合は、その濃度は少なくとも0.01M以下にする必要がある。3)量子収率の向上ーーフルギドの各位における置換基が量子収率にいかに関与しているかを調べた。すなわち、置換基としてHや傘高いイソプロピル等を用いたときの置換基の位置と傘高さが量子収率、及び開環直色体の吸収帯に及ぼす影響を明らかにした。マトリックス効果は、閉環反応はマトリックスの影響をほとんど受けないが、開環反応の量子収率はマトリックスの極性が増大すると減少する。
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