研究課題/領域番号 |
02205063
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
左右田 健次 京都大学, 化学研究所, 教授 (30027023)
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研究分担者 |
平沢 敏子 京都大学, 化学研究所, 教務職員
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50135597)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アラニンラセマ-ゼ / 耐熱性酵素 / ドメイン / 変性 / ピリドキサルリン酸 / 変異酵素 / ドメイン分断 / 好熱性細菌 |
研究概要 |
アラニンラセマ-ゼの2個のドメイン間をつなぐヒンジ領域に対応する部位で本酵素遺伝子を切断し、プラスミド、pARSD2を作製した。本プラスミドを持つ大腸菌JM109クロ-ン株よりアラニンラセマ-ゼを精製した。本酵素は30Kと14Kの大小2種のポリペプチドより構成されており、各ポリペプチドの大きさはそれぞれの遺伝子から予想される大きさによく一致した。本分断型変異酵素は熱に対して安定であるが、野生型酵素よりは若干不安定であった。分断型変異酵素のゲルろ過クロマトグラフィ-を行うと、野生型酵素と同じ位置に溶出された。また、オクタロニ-二重拡散法において両酵素は不可分の免疫化学的性質を質した。円偏光二色性スペクトルも互いに非常に近似していた。両酵とも420nm付近に結合補酵素、ピリドキサルリン酸に由来する負の円偏光二色性バンドを示すが、分断型変異酵素は野生型酵素に比べピ-クの高さが小さい。分断型変異酵素の活性中心は微視的には野生型酵素のそれとは異なった構造をしており、それが円偏光二色性スペクトルの微妙な違いとなって観察されたものと考えられる。6M塩酸グアニジンで分断型変異酵素を変性させた後、塩酸グアニジンを含まない緩衝液で希釈したが、活性の回復は認められなかった。しかし、塩酸グアニジンを含まない緩衝液に対して透析を行うと、活性が回復した。4M塩酸グアニジン存在下でゲルろ過を行い、各ドメインに相当するポリペプチドを単離した。塩酸グアニジンを除去した後、両者を混合したが、活性の回復は認められなかった。しかし、6M塩酸グアニジンで変性させた後、両者を等量混合し透析すると、両者を解離させる前と同程度まで活性が回復した。従って、変性後の再生には両ドメインが同時に存在することが必要であることが明らかになった。
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