研究課題/領域番号 |
02205075
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高野 幹夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70068138)
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研究分担者 |
広井 善二 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (30192719)
坂東 尚周 京都大学, 化学研究所, 教授 (70027027)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | マグネタイト薄膜 / ビスマス鉄ガ-ネット薄膜 / 内部転換電子散乱メスバウア-分光法 / 格子のミスフィット / 表面 / 界面 |
研究概要 |
表面および界面を制御しながら新材料を作り出すためには、表面、界面の構造および物性を十分理解することが必要であり、そのうえに立って初めて、プロセス制御や材料制御が可能になる。本年度は、酸化鉄磁性材料(Fe_3O_4:マグネタイト)を対象とし、できるだけ良質の単結晶膜を作製して、表面や界面の構造や物性を明らかにすることを目的とした。試料薄膜の構造と物性は、主として内部転換電子散乱メスバウア-分光法(CEMS)により測定した。この方法で必要とされる ^<57>Feの量は、鉄2〜3原子層に相当するごく微量(1μg未満)であるため、薄膜の表面、あるいは基板との界面にのみ ^<57>Feを置いた試料を作製することにより、局所的な状態を調べることができた。また、この測定法の温度範囲を大きく広げることができたので、磁気光学材料として注目を浴びているビスマス鉄ガ-ネット薄膜の微視的な評価に用いた。 Fe_3O_4(111)//αーAl_2O_3(0001)およびFe_3O_4(100)//MgO(100)薄膜のいずれにも、更にそれらの表面、界面とも、Fe^<2.5+>の成分がスペクトルに明確に認められ、結晶性と化学両論性の良い膜成長の起きていることがわかった。しかし、より詳細に比較すると、MgO基板上の膜の方がさらに結晶性が良いが、この差は基板とマグネタイト間の格子のミスフィット賀、前者の組合せの場合には8%に達する大きいものであるためである。これらの薄膜作製法と評価法の発展の延長として、有機ラジカルの表面への吸着や、基板の誘電性の及ぼす表面、界面の電子状態の変化を調べたい。 ガ-ネット膜についての測定から、結晶性の優れていること、磁気モ-メントが膜からかなり立ち上がっていること、磁化の温度変化を決定する分子場係数が、既知の相のものによく似た値をもつことが判明した。
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