研究課題/領域番号 |
02205085
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 成年 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70029875)
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研究分担者 |
森本 秀子 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (70166437)
宇野 晃成 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20213473)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 有機金属液晶 / 強誘電性液晶 / 分子設計 / 遷移金属アセチリド錯体 / 遷移金属ホスフィン錯体 / 双極子モ-メント / 自発分極 |
研究概要 |
金属が持つ独特の性質を液晶に付与することにより新しい機能の発現を期待して、我々は新規な有機金属液晶化合物を合成し、その特性について研究を行ってきた。本研究では、高機能性有機金属液晶材料の開発を目的に、主鎖が遷移金属とアセチレンから成る有機金属高分子リオトロピック液晶とホウ素を含む低分子サ-モトロピック液晶を中心にその分子設計と合成、分子構造と液晶としての機能との関連を系統的に検討している。本年度は遷移金属アセチリド錯体の液晶性と計算化学を利用した液晶材料の分子設計についての研究結果を報告する。 (1)上記有機金属高分子液晶の構成単位である遷移金属アセチリド錯体は、立体的にかさ高いトリアルキルホスフィン配位子を含んでいるために液晶形成には不利と考えられていたにも係わらず、適当な分子構造を選べばサ-モトロピック液晶性を示すことを見いだした。即ち、今回合成したメソ-ゲン基を導入したビス(トリメチルホスフィン)繁金ビス(フェニルアセチリド)誘導体は、転移温度は高いもののネマティックあるいはスメクティック液晶を形成した。これはホスフィン配位子を含んだ初めての液晶であり、その性質には大きな異方性が期待できる液晶材料である。 (2)昨年度は強誘電性液晶の分子構造と自発分極(Ps)値の関連を検討し、液晶構成分子の不斉炭素部と極性基部間のコンフォメ-ションのエネルギ-障害がPs値と密接に関係していることを明らかにしたので、今年度は、液晶分子の双極子モ-メントとPsとの関係に注目し、計算化学による検討を更に進めた。その結果、主軸に垂直な双極子モ-メントの計算値とPsの実測値の間に密接な関連があることを見いだし、大きなPs値を持つ強誘電性液晶の実現に計算化学による分子設計が有力な方法となりうることを示した。
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