研究課題/領域番号 |
02205087
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 勝美 大阪大学, 工学部, 教授 (70029205)
|
研究分担者 |
河合 壯 大阪大学, 工学部, 助手 (40221197)
尾崎 雅則 大阪大学, 工学部, 助手 (50204186)
大森 裕 大阪大学, 工学部, 助教授 (50223970)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 導電性高分子 / ポリ(3ーアルキルチオフェン) / ポリ(3ーアルキルフラン) / コンフォメ-ション / ド-ピング / 機能性 / ゲル / ショットキ-接合 |
研究概要 |
1、ポリ(3ーアルキルチオフェン)は溶液状態、フィルム状態いずれにおいても、温度により著しい吸収スペクトルの変化を示し、ルミネッセンスは異常で温度と共に強くなる。これは次の様に考えられる。温度が上昇していくと、まず、側鎖のアルキル基のコンフォメ-ション変化により主鎖にねじれが生じ、共役系の平面性が低下するので、実効的に共役長が変化することから、吸収スペクトルが変化し、ルミネッセンスの温度依存性を示す。一方、ポリ(3ーアルキルフラン)ではアルキル鎖のコンフォメ-ションの変化が起こっても、主鎖のねじれが小さくスペクトル変化も観測されない。 2、ポリ(3ーアルキルチオフェン)フィルムのX線回折、赤外吸収とその温度依存性を測定した結果、鎖間の距離はアルキル鎖長と共に大きくなる事、アルキル鎖が温度上昇と共にトランスゴ-シュの転移を示す事、主鎖のチオフェン環の平面性が崩れる事等が明らかとなり、上記(1)の推察が正しい事が証明された。 3、ポリ(3ーアルキルチオフェン)をゲル化したものは溶媒、温度による体積変化にともなってルミネッセンス強度も大きく変わる事を見い出した。これは収縮状態に対し、膨張状態では主鎖の平面性が低下して主鎖間の相互作用が弱くなり、その距離が長くなっていると考えれば説明できる。このことは、X線回折測定より確認できた。 4、ポリ(3ーアルキルチオフェン)フィルムを電極上にキャスティングにより作成し、電気化学的にド-ピング、脱ド-ピングを行ったところ、サイクリックボルタモグラムの電流値、ド-パントの拡散係数ともにサイクル数と共に増大し、やがて一定値に飽和する事を見い出した。これはド-ピング、脱ド-ピングサイクルによるモルフォロジ-の変化の為であると考えられる。 5、ポリ(3ーアルキルチオフェン)のショットキ-接合の整流特性は温度によって大きく変化し、これは電子状態の変化として説明される。
|