研究課題/領域番号 |
02205088
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新原 晧一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40005939)
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研究分担者 |
関野 徹 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20226658)
中平 敦 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90172387)
上田 智 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (20029870)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1990年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ナノコンポジット / 粒内分散 / プレカ-サ-粉末 / ホットプレス法 / 機械的特性 / 界面制御 / 電気抵抗 / 誘電損失 |
研究概要 |
本研究ではナノメ-タ-レベルの寸法の分散粒子が、セラミックス母相の粒子内に存在するナノ複合材料を作製し、その界面構造と材料の電気的特性について調べ、機械的特性との相関について研究した。 ナノ複合材料の作製は、微細なγーAl_2O_3粉末に超微細なSiC粉末を均一に混合したものおよびCVD法で作製したSiーCーNプレカ-サ-粉末を用い、ホットプレス法でAl_2O_3/SiCおよびSi_3N_4/SiCナノ複合材料を作製した。Al_2O_3/SiC系の機械的特性は5vol%程度のSiC添加でも破壊靭性で1.4倍、強度で4倍、耐熱温度で400℃の向上が認められ、Si_3N_4/SiC系でも強度、靭性共に約2倍、耐熱温度で300℃の向上が確認され、いずれもナノ複合化することにより機械的特性が大幅に改善した。高分解能電子顕微鏡観察の結果、これらナノ複合材料の母相とナノ複合粒子の界面は非常にクリ-ンで、原子レベルでの結合が容易に実現できることが明らかとなった。 Al_2O_3/SiC+1複合材料の電気抵抗を調べた結果、微細なSiC粒子が母相粒内にナノメ-タ-レベルで分散しているSiC量を10vol%まで添加したナノ複合材料では、Al_2O_3とほぼ同じ10^<ー12>Ωcm台の抵抗を保っており、誘電率、誘電損失ともほとんど変化していないことがわかった。一方SiCの添加量が15vol%以上になると、急激に抵抗値が低下した。これらはSi_3N_4/SiCナノ複合材料の系においてもほぼ同様の挙動となった。 以上、分散粒子の量や状態を制御したナノ複合材料は、その機械的特性が大幅に改善されるとともに、優れた電気的特性を兼ね備えた材料であることが示された。今後、ナノ複合化のプロセスや粒子の役割、さらには磁気的、光学的な機能を合わせ持つナノ複合材料の開発についての研究を進める必要がある。
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