研究分担者 |
森 正敬 熊本大学, 遺伝研究所, 教授 (40009650)
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
近藤 寿人 名古屋大学, 理学部, 教授 (70127083)
山村 研一 熊本大学, 遺伝研究所, 教授 (90115197)
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10089120)
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研究概要 |
〔研究目的〕本研究は,ヒトDNAを主とする外来遺伝子DNAの初期胚への導入を通してバイオサイエンスの基礎として重要な生物機能モデルおよびヒト疾患モデル動物を開発することを目的とする。 〔研究成果〕本年度は次のような成果をあげることができた。 1.家族性アミロイドニュ-ロパシ-(FAP)の原因突然変異遺伝子導入マウスを作成し,アミロイドの沈着を認め疾患モデルが確立した。 2.レニンおよびアンジオテンシノ-ゲン遺伝子導入マウスを作成したところ,両方の遺伝子をもつマウスのみ高血圧症を示した。このマウスはカプトプソルの投与により正常血圧に戻った。また,高血圧マウスは6ケ月内に半数次上が突然死した。以上のことから,原因が明確な高血圧症の動物実験系が確立したと考えられる。 3.エイズウィルスや急性白血病ウィルス遺伝子導入マウスを作成した。様々な症状を呈するマウスが得られたが,遺伝子発現との関係を現在検討中である。 4.その他,多数のヒト遺伝子についてトランスジェニックマウスが作成されたが,いずれも生物機能モデル又はヒト疾患モデルとなる可能性があるため病理学的,生化学的検討を行なっている。P450,インシュリン,APOEなどの遺伝子導入マウスが現在有望なモデルになりつゝある。 以上の他,ジ-ンタ-ゲッティング法の導入と確立にとり組んだ。その結果,東海大,熊大,名大においてそれぞれ相同組換え体胚幹細胞が得られ,注入法によるキメラマウス作成に成功した。今後これらの子孫から計画突然変異マウスが得られるものと期待できる。特に劣性遺伝病モデルマウスの作成には,アンチセンス法とともに,ジ-ンタ-ゲッティング法が重要となる。
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