研究課題/領域番号 |
02207123
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
黒田 壽郎 国際大学, 大学院国際関係学研究科, 教授 (90051309)
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研究分担者 |
前田 成文 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (50027588)
竹下 政孝 東京大学, 文学部, 助教授 (30163398)
澤井 義次 天理大学, おやさと研究所, 助教授 (30178826)
鎌田 繁 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (70152840)
大塚 和夫 国立民族学博物館, 第三研究部, 助教授 (50110078)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1990年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | イスラ-ムの都市性 / 宗教意識と都市性 / 共同体論 / 社会構成原理 / 公共性・私性 / タウヒ-ド論 / ウンマ論 / シャリ-ア |
研究概要 |
イスラ-ムの都市性 とりわけイスラ-ムの宗教意識と都市形成原理の相関関係を明らかにするための戦略として、当初の計画通り第1年度にはイスラ-ムの世界観のタウヒ-ドの分析と同時に、タウヒ-ド、シャリ-ア、ウンマのそれぞれを一極とするイスラ-ムの三極構造の解明に努めた。そして第2年度には、このような三極構造が発するエネルギ-がイスラ-ム性のネットワ-クの形成にいかに寄与し、またそれを固有に機能させるさまを分析、検討した。 最終年度にあたる第3年度には、これまでの研究成果をふまえ、上述のようなイスラ-ムに特殊な性質が、具体的にこの世界の各領域でいかなるモルフォロジ-上の特性をもって顕現してくるかについて検討することに主眼をおいた。ドル-ズ・ガタリの滑らかな空間という概念を利用して、溝つき空間のエネルギ-、ロジックとの対比のうちに、主としてアラブ・イスラ-ム世界のアナログ的分析を行なった。 具体的にはこの世界の特殊性を、万象の差異性を強調する点に基礎をおくものとし、その思想的根搬となるイスラ-ムの原子論に関する最良の研究、S・ピネスの「イスラ-ムの原子論」の翻訳、イ-ジ-の神学書の研究、ならびにイブン・アッ=ラ-ワンディ-の「ムアタジラ派批判の書」の翻訳を行なった。研究は神学、哲学のみに限られず、バ-キルッ=サドルの「法学原論」の翻訳、これまでのイスラ-ム経済に関する研究成果等、問題解決のための視座の措定にあたり鍵概念を提示するような基本的著作の検討にあてられた。それと同時に具体的なアレッポの地理学的分析等、除々に具体的な領域の分析にも歩が進められた。 着実な基礎的研究なしの軽薄なイスラ-ム論、都市論にたいして、具体的な古典研究の成果を出しながらの生産的な研究に努めたつもりであるが、プロジェクトは今後も継続、発展の余地を充分に残している。
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