研究概要 |
定常の拡散火炎の燃焼機構の解明に関して以下のような成果が得られた. 拡散火炎の火炎面位置に及ぼす電界の効果が従来のイオン風理論のみでは説明できないことが見いだされ,これは電気力線および流速ベクトルの相対関係に起因することがわかった.温度場とOH濃度などの諸計測によって電界印可時の燃焼機構の解明の手がかりが得られた.(河野) 噴霧火炎特有の群燃焼機構を明かにするため,火炎前緑付近の一点において,OHおよびCHラジカル発光バンドの火炎発光観測と,LDVを用いた油滴からのミ-散乱光および飛行速度の観測を行なった.これらの同時観測信号をスペクトル解析することによって,噴霧油滴と噴霧火炎の階層的な群構造が明らかになった.(水谷) 乱流拡散火炎構造を決定している乱流熱輸送機構の詳細検討を,温度乱れの時間・空間ス-ケル,2点で測定された温度のクロススペクトル,コヒ-レント関数,パワ-スペクトルにより行なった.その結果,これまでに明らかにした火炎構造に存在する4ケ所の特徴的領域が上述の各値の周波数空間特性からも,明確に分類されることがわかった.(大竹) 燃焼によって生ずる高温場がすべて高乱流域に存在するような火炎,すなわち3重噴流拡散火炎を作成し,実験と数値計算によって,層流化現象の影響の小さい場合には,従来適用の妥当性の検討なしに使われることが多かった密度加重平均を用いる等密度場乱流モデルの適用が妥当であることを実証した.(小沼) ー様空気流中に垂直に噴出する水素ーメタン噴流拡散火炎について,LDVおよびレ-ザレイリ散乱法による流速および温度の瞬時測定を行なった.その結果,火炎内の流速および温度変動に関する知見が得られた.また,3次元数値解析を行い,時間平均的な火炎構造を明らかにし,さらに実験結果の理論的考察に用いた.(角田)
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