研究概要 |
サ-マルNOx発生の抑制・燃焼効率向上の特長を有する触媒燃焼について、気相と触媒表面の濃度、温度差を考慮する一次元定常モデルを用いてシミュレ-ションによる解析を行なった。反応は気相と触媒表面の両方で起こるとし、触媒層の前後における気相反応も考慮した。さらに、K_2NiF_4型の構造を持つLaSrMO_4(M;Al,Cr,Mn,Fe,Co,Ni)の焼成温度による表面積の減少を調べた。 (1)メタン燃焼挙動のシミュレ-ション La_<0.8>Sr_<0.2>CoO_3を触媒としたメタン燃焼反応のシミュレ-ションにより、すでに実験的に示している反応温度の昇温に伴う(A)触媒反応領域、(B)物質移動律速領域、(C)気相反応領域間の移動がよく再現できた。このことから(B)領域は物質移動律速により出現したことが裏付れられ、さらに触媒上で発生したラジカルなどによる気相反応促進の効果は大きくないことが推定できた。(B)領域における転化率は、触媒比表面積の比例し、流量に反比例するが、これらの実験結果もシミュレ-ションによって再現できた。初期過程のメタン部分酸化の反応機構について検討し、気相における各素反応のシミュレ-ションにより各触媒の選択性の差を半定量的に説明した。 (2)高温耐熱性触媒の探索 焼成温度によるLaSrAlO_4、LaSrCrO_4の比表面積の変化は他の触媒と比べて小さく、耐熱性触媒として期待される。LaSrAlO_4をクエン酸錯体法、凍結乾燥法、均一沈澱法、アルコキシド法で調製したところクエン酸錯体法で得た触媒で表面積が増大した。
|