研究分担者 |
田中 清明 名古屋工業大学, 教養部, 助教授 (00092560)
平野 恒夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (40011027)
中筋 一弘 分子科学研究所, 相関領域系, 教授 (60028230)
細矢 治夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (10017204)
西本 吉助 大阪市立大学, 理学部, 教授 (20046949)
|
研究概要 |
前年度に引き続いて分子力学法による有機分子結晶計算プログラムの作成を行い,一応の完成を見た,現在は分子力学一般プログラムBIGSTRN3をミニマイザ-として使用し,最大1万原子逅を扱うことができる。結晶の大きを自動的に判定し,セル定数最適化に用いるシンプレックス法に改良を施し,その結果,これまで最大分子としてベンゾイルジヒドロドデカヘドラン結晶の最適化に成功した。ほかに分子学力場用ポテンシャル関数の送択およびパラメ-タ最適化のための大型プログラムしほヾ完成し,振動数を標準デ-タに加えてパラメ-タ最適化が行えるようになった。(大沢,平野) 本多一北浦の重るい積立型ポテンシャル関数を分子間ポテンシャルとして用いて結晶構造の計算に応用した。本年度はベンゼンの結晶構造を非経験的に作成するのに成功し,また塩素イオン一水クラスタ-にたいしてモンテカル口計算を行った。その結果,小さなクラスタ-の各熱力学量は単なる相乗効果ではなく,主に振動子の状態密度からくるエントロピ-効果が重要な後創を果していることが分った。(西本) ガラス型関数で書かれた精密な非経験的分子軌道法を用いた電子数解析によってベンゼン系芳告族炭化水素の構成原子上の酸化状態を調べた。その結果,すべてのベンゼン系芳告族の水素原子のまわりでの球平均差電子密度はほとんど同じ曲線を描き,メタンの水素原子の曲線とよく似ていること,差電子密度分布図を描く場合にはMIDIー4の方がSTOー6Gより解釈し易い結果を与えることなどが明らかになった。(細矢) 軌道関数間の直交規格化条件を利用してX線回析法によって測定した結晶内電子密度分布から原子軌道および分子軌道を求めるための最小二乗法を開発し,銅錯体中の結晶場中にあるCu^<2+>イオンの3d軌道を求めることに初めて成功した。(田中)
|