研究課題/領域番号 |
02213103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福山 秀敏 東京大学, 物性研究所, 教授 (10004441)
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研究分担者 |
前川 禎通 名古屋大学, 工学部, 教授 (60005973)
斯波 弘行 東京工業大学, 理学部, 教授 (30028196)
小谷 章雄 東京大学, 物性研究所, 教授 (90029504)
黒田 義浩 名古屋大学, 理学部, 教授 (60013504)
立木 昌 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20028111)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1990年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
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キーワード | 銅酸化物 / 強相関電子系 / バンド理論 / クラスタ-計算 / ハバ-ド模型 / モット絶縁体 / tーJモデル |
研究概要 |
銅酸化物高温超伝導体は強い電子間相関に起因する電荷移動型絶縁体にキャリアをド-プした状態で発現しており、強相関という粒子数で表現される粒子性と金属的に電子が動く波動性という量子力学的双対性をいかに理論的に表現するという極めて根源的な問題に各分担者は挑戦しており、本年度も多岐にわたる研究がなされた。まず、ド-ピングに伴って、電荷移動ギャップに状態が出現するという実験結果に刺激され、dーpモデルを出発点に強相関系という観点から、黒田、立木らによって追求され、糸口が見つけられた。また、大局的な電子状態が従来のバンド理論の枠組みの中で、寺倉、糟谷、柳瀬、望月らによって研究され、とくに電子型の場合キャリアの波動関数について、新しい知見が得られた。また、系が持つイオン結晶的な性格に着目して、面内と頂点にある酸素のマ-デルング・エネルギ-の差と電子状態とくに臨界温度との相関が前川、近藤らによってなされた。このようなエネルギ-スケ-ルの大きい領域で見られる強相関系の特徴は、光電子スペクトルによって観測されるが、これらについての詳細な理論的研究が小谷らによってなされ、ド-ピングに伴って生じたキャリアの性格が論じられた。また、高エネルギ-領域と低エネルギ-領域の関連は有効ハミルトニアンの立場からも松川らによって研究された。低エネルギ-領域、即ち、輸送現象等の電気的及び各磁気緩和等の磁気的性質についても、いろいろの立場からの研究がある。まず、フェルミ流体論的一般論をもとに諸性質の統一的理解を山田、芳田らが提案、スピンのゆらぎに対する自己無憧着理論に基づく研究が守谷らによって、更に強相関ゲ-ジ場の観点から永長、福山らによって追求され、それぞれ実験と比較できる具体的予言が可能になった。この領域の進展は著しい。この他tーJモデルにおける数値計算及び1、2次元電子系における多体問題に対する寄与も大きい。
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