研究概要 |
人間と機械の間で円滑な高次コミュニケ-ションを可能にするシステムを構策する技術を確立することを目的とし,平成2年度は以下の研究課題について研究を行った。 研究課題(1):基本機能モジュ-ルとアルゴリズムに関する研究 ニュ-ロン素子に焦点をあて、新しく提案したニュ-ロンモデルの有用性を最適化問題や時空間パタ-ンの弁別への適用を通して実証した。また、種々のパタ-ン認識や画像処理にニュ-ラルネットワ-クの考え方を適用し,有用な成果を得ている。ニュ-ロン計算機を実現するために、ニュ-ラルネットワ-クのVLSI化についても検討を加え,CMOS回路によるA/Dコンバ-タの試作に成功している。 研究課題(2):知的コンピュ-タア-キテクチャに関する研究 マルチメディア情報処理を指向し,問題に適応し結合網とメモリア-キテクチャが動的に変更できる可変構造型並列計算機を設計し,128台の処理装置からなる試作機を完了し,関連するOS・並列プログラム言語・応用ソフトウエアの開発を行っている。また、高レベルの図的手法を含む仕様言語をデ-タ駆動型並列プログラムに直接変換する原理を確立し、その処理に適したVLSIプロトタイプシステムを試作し、評価を行った。 研究課題(3):高次コミュニケ-ションシステムの開発に関する研究 高次コミュニケ-ションシステムのあり方ならびにその構築法を確立するために、マルチメディア情報の電子化図書・身体言語の計算機による認識・法律家の専門知識を蓄え,相談事例に対して法的判断を導出する類推推論システム・異機種ソフトウエアの利用に対するユ-ザの要望に応える知的対話システムなどを具体的に開発し,評価を行っている。
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