研究課題/領域番号 |
02216201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
榊原 俊郎 北海道大学, 理学部, 助教授 (70162287)
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研究分担者 |
網塚 浩 北海道大学, 理学部, 助手 (40212576)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 重い電子系 / 近藤効果 / アクチナイド化合物 / 反強磁性相関 / メタ磁性転移 / 強磁場磁化 / 磁気相図 / 帯磁率 |
研究概要 |
ウラン系ヘビ-フェルミオン化合物はそのほとんどが反強磁性スピン相関を示し、またそれが超伝導転移やメタ磁性転移と関係していると考えられている。従って、磁気相図を詳しく調べること重要な課題である。本研究では典型物質の一つであるURu_2Si_2、および関連物質においてこれまで研究の少ない有限温度・有限磁場の磁気相関を詳しく調べた。以下、概要を述べる。 (1)帯磁率極大とメタ磁性:URu_2Si_2の特微の一つにTmax〜60K付近の帯磁率の大きな山がある。強磁場磁化測定の結果、Tmax以下の温度で磁化過程が非線型性を示し、低温でのメタ磁性へと移行することがわかった。このようなTmaxの原因としては結晶場や反強磁性相関が考えられるが、UをLaやYで薄めていくと消えることから反強磁性相関の可能性が強い。 (2)メタ磁性とSDWエネルギ-:URu_2Si_2の基底状態はT_N=17.5KのSDW状態であると考えられている。一方、低温で見られる鋭いメタ磁性はヘビ-フェルミオン状態からスピン分極した状態への転移と考えられているので、その転移磁場Hc_1にはSDW凝縮エネルギ-が寄与しているはずである。そこで、RuをRhで置換したU(Ru_<1ーX>Rh_X)_2Si_2の相図を詳しく調べた結果、Hc_1はT_Nと相関がありRh置換によりT_Nが低下するにつれてHc_1も下がることが説明された。また、Hc_1の温度変化を詳しく調べたところ、ほぼT^2に比例して低磁場側にシフトしていくことがわかった。これは系の電子比熱がメタ磁性転移とともに増大していることを意味するが、その原因としてSDWギャップが消失したと考えると説明可能である。従って、H【greater than or similar】Hc_1においてもヘビ-フェルミオン状態にある可能性がある。
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