研究課題/領域番号 |
02217203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
祥雲 弘文 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (70012036)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | チトクロムPー450 / 脱窒 / フサリウム / 亜硝酸塩還元酵素 |
研究概要 |
1.不完全菌<Fusarium>___ー <oxysporum>___ーに、真核生物として初めて脱窒能が見出されたが、この脱窒系における重要なステップに関よる酵素,亜硝酸塩還元酵素活性を無細胞系で再構成することに成功した。活性を含む菌体抽出液より各成分を精製あるいは部分精製し、NADHーフェナジンメトサルフェ-ト(PMS)系を電子供与体とした再構成実験により各成分の機能を調べた。その結果、非分画抽出液中に検出される脱窒活性、すなわち亜硝酸塩から亜酸化窒素(N_2O)を生成する活性は、中間体として一酸化窒素(NO)を形成していることが確認された。さらに前半の亜硝酸塩還元酵素(NiR)と後半の一酸化窒素還元酵素(NOR)の両活性の分離に成功した。硝酸塩誘導型チトクロムPー450(Pー450dNIR)は後半のNOR活性に関与することが示された。このように、ユニ-クなカビの脱窒系が分子レベルで明らかにされつつあり、近い将来にその全体像が解明されであろう。 2.Pー450dNIRの抗体を用い、mRNAからcDNAを取得することに成功した。その塩基配列から予想されるアミノ酸一次配列は、P450として極めてユニ-クな特徴を示した。他のP450との相同性の比較から、Pー450dNIRは真核生物より原核生物(細菌)のP450に近く、進化の系統樹においても例外的に細菌のグル-プに分類された。さらに真核生物にみられるN末付近の疎水領域やプロの配列も存在せず、予想通り本P450が真核生物として初めての可溶性P450であることが示された。これらの性質やその機能はP450として前例が無く、構造.機能.進化などの諸点において極めて興味深い課題を示した。本Pー450はこの分野で大いに注目されつつある。
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