研究課題/領域番号 |
02217204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
半田 宏 東京大学, 医学部・細菌学教室, 助教授 (80107432)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | チトクロ-ムpー450c / メチルコランスレン / 受容体 / 無細胞転写系 / エンハンサ- / プロモ-タ- / アフィニティラテックス粒子 / 転写因子 |
研究概要 |
チトクロ-ムpー450cはメチルコランスレン処理により誘導発現される。その誘導機構の主なものとして、細胞質に存る受容体にメチルコランスレンが結合した複合体が核内に移行して染色体上にあるチトクロ-ムpー450c遺伝子のエンハンサ-に作用して、その発現を転写開始レベルで促進することが考えられる。本研究の目的は、メチルコランスレンによる誘導発現機構を無細胞転写系を用いて分子レベルで解析することである。メチルコランスレン処理および未処理HeLa細胞から核抽出液を体製し、両者の転写活性を比較して得られた結果は、メチルコランスレン誘導発現が部分的ではあるが無細胞転写系で確認出来た。エンハンサ-の効果は検出できなかったが、プロモ-タ-内のー55か5ー44塩基対の領域がメチルコランスレン誘導発現に関与することが明らかになった。これまでの解析を通じて、遺伝子であるDNA上の特異塩基配列を認識し結合する転写因子を効率良く分離・精製することが必要となった。そこで、DNA結合性転写因子を簡便に精製する技術開発を試みた。従来、セファロ-ズレジンを支持体として特異塩基配列を含む人工合成DNA断片をそれに付加したDNAアフィニティカラムを用いていたが、非特異性タンパク質の混入が多く、核抽出液から直接に目的とする転写因子を精製することは困難であった。我々は支持体をラテックス粒子に交換した。ラテックス粒子を作製するに当り、非特異的吸着が低い素材を検討し、選択した素材からなる粒子にエポキシ結合により多量のDNA断片を粒子表面に結合した。このアフィニティ粒子を用いて、核抽出液から直接にいくつかの転写因子を精製することが出来た。このアフィニティ粒子を用いて、メチルコランスレンとその受容体複合体ならびにー55/ー44領域に結合する転写因子を分離・精製し、それら因子の生化学的解析を今後行う予定でいる。
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