研究課題/領域番号 |
02217206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
須原 克子 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (70090537)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Pー450 / Pー450_<11β> / ステロイド18位水酸化反応 / ステロイド11β位水酸化反応 / ステロイド18位酸化反応 |
研究概要 |
本研究はブタ副腎皮質ミトコンドリアの精製Pー450_<11β>を用い、触媒する反応の多様性と多段階反応の機構をすべて精製酵素タンパク質(アドレノドキシン、アドレノドキシン還元酵素)による再構成系によって酵素次元で解析したものである。 Pー450_<11β>はC_<21>ーステロイドであるデオキシコルチコステロン、11ーデオキシコルチゾ-ルの11βー位を水酸化し、グルココルチコイドであるコルチコステロンとコルチゾ-ル生成するが、コルチコステロンの18位をさらに水酸化、酸化しミネラロコルチコイドであるアルドステロンを生成することが明らかになっている。このことから、Pー450_<11β>は、コルチゾ-ルの18位の水酸化、酸化も触媒し18ーヒドロキシンーおよび18ーオキシ体を生成することが予想される。そこで、精製Pー450_<11β>を用いてこれらのステロイドの生合成機構を調べることを目的とした。 11ーデオキシコルチゾ-ルまたはコルチゾ-ルを基質としてPー450_<11β>と反応系を再構成し、一定時間反応させ抽出したステロイドをHPLC、TLCで分析した。得られた2つの未知の生成物はNMR、GCーMSにより18ーヒドロキシーおよび18ーオキソコルチゾ-ルと同定された。 さらに、11ーデオキシコルチゾ-ルからは、18ーヒドロキシー11ーデオキシコルチゾ-ルも同定され、11ーデオキシコルチゾ-ルを出発としたPー450_<11β>の多段階反応による代謝経路が明らかになった。 これらのステロイドは原発性アルドステロン症の要因ステロイドとして注目され、18ーオキソコルチゾ-ルはアルドステロンの1%のミネラロコルチコイド活性、コルチゾ-ルの3%のグルココルチコイド活性をもつstructural hybrid steroidといわれている。組織スライスを用いた実験により副腎で合成されることが示唆されていたが、本研究はPー450_<11β>がこれらのステロイドの生合成反応に関与していることを明らかした。
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