研究課題/領域番号 |
02217207
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
郷 通子 名古屋大学, 理学部, 教授 (70037290)
|
研究分担者 |
小林 薫 名古屋大学, 理学部, 助手 (20225494)
野口 俊之 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90172775)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | Pー450cam / 水素結合ネットワ-ク / ヘム蛋白 / 位置指定突然変異 / モジュ-ル / エネルギ-極小化 |
研究概要 |
本研究の目的はチトクロ-ムPー450の機能の分子機構と進化を、水素結合のネットワ-クに着目して解明することである。研究実施計画に従って以下の成果が得られた。 (1)プチダ菌チトクロ-ムPー450camの立体構造は、X線結晶解析により明らかにされている。九州大学薬学部堀内教授グル-プはヘムの保持が悪いミュ-タントをいくつも得ている。そのうちの一つに286GluがLysに置換されたものがある。水素結合のネットワ-クを調べたところ、286Gluは364Argと水素結合で結ばれており、この364Argは次に360Glnと水素結合で結ばれていた。さらに、このGlnは、ヘムのFeと側鎖で結合している357Cysと水素結合を形成していることがわかっている。すなわち、286Gluは水素結合ネットワ-クを通して、ヘムと結ばれていることが明らかになった。従って、286GluがLysに置き替わっているミュ-タントでは、明らかに364Argと水素結合がつくれない。つまり水素結合ネットワ-クを壊し、ヘムの保持を悪化していると示唆された。さらに、357Cysは350Pheとも水素結合をつくっている。この350Pheはすべてのチトクロ-ムPー450で保存されており、電子伝達に関与している可能性も高い。この点からもこの286Gluー364Argー360Glnー357Cysー350Pheをつなぐ水素結合のネットワ-クの重要性がうかがえた。事実364Argはプチダレドキシンとの静電的結合に重要であろうとされている。286Lysのミュ-タントについてエネル-ギ-極小化を行ったが、立体障害は起こらないことから、水素結合ネットワ-クの破壊がヘムの保持悪化の要因である可能性を支持する。(郷、野口) (2)慶応大学医学部石村教授グル-プとの協同研究により、Pー450camへのプロトン供給源として、252Thrと366Gluおよび3個の水分子を通して形成する水素結合ネットワ-クの重要性を指摘した。(野口)
|