研究課題/領域番号 |
02217216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
原 孝之 中村学園大学, 家政学部, 助教授 (10164998)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アドレノドキシン還元酵素 / アドレノドキシン / チトクロ-ムPー450scc / コレステロ-ル側鎖切断反応 / 抗体 / 高密度リポタンパク質 / 酵素反応機構 / タンパク質複合体 |
研究概要 |
副腎皮質ミトコンドリアのステロイド水酸化酵素系を構成するアドレノドキシン還元酵素(AR)、アドレノドキシン(AD)及びチトクロ-ムPー450scc(Pー450scc)の反応メカニズムと構造との相関を研究するために、平成2年度は、精製したAR、AD、Pー450sccを用い、再構成系によるコレステロ-ル側鎖切断反応(SCC反応)のメカニズムについて検討した.先ず、本再構成系によるSCC反応の測定法について検討し、従来から広く用いられてきた ^<14>Cーコレステロ-ルを基質として用いる測定法によらず、非放射性コレステロ-ルから生じたプレグネノロンをコレステロ-ルオキシダ-ゼでプロゲステロンへ酵素的に変換させたのち、HPLCでプロゲステロンを分離定量する方法が再現性よく、測定も簡便であることを確認した.本法は、我々も独自に開発した方法であったが、北里大学の菅野らも本法を開発し、先に論文になったために公表できなかった.次に、上記方法を用いて、再構成系によるSCC反応に対するPー450sccの抗体阻害について検討した.Pー450sccの抗体、1gGフラクションを、NADPHと同時に加え20分反応させると、SCC反応は4〜5倍活性化されることがわかった.しかし、Pー450sccと抗体とだけを先に37℃で10分間反応させたのち、NADPHを加えると著しい反応阻害がみられることがわかった.これまでに我々は、アドレノドキシンの抗体を用いて、AR、AD、Pー450sccの3者が共存するときには、Pー450scc還元反応の阻害が妨害されることから、今回の実験結果も、複合体形成によるsteric hindranceの結果とも示唆される.次に、何故Pー450sccの抗体で活性化が起きるのか検討したところ、ウサギ1gGフラクションに含まれるリポタンパク質のコレステロ-ルがSCC反応を活性化させることを見い出した.特に、高密度リポタンパク質(HDL)にその活性化が強く、HDLとPー450scc、AD、ARとに複合体形成促進作用のあることを示唆するデ-タを得た.
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