研究課題/領域番号 |
02217217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 埼玉県立がんセンター |
研究代表者 |
後藤 修 埼玉県立がんセンター, 研究所生化学部, 主任研究員 (40142111)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | チトクロ-ムPー450 / 構造予測 / 進化 / 遺伝子解析 / 核酸配列デ-タベ-ス / アミノ酸配列デ-タベ-ス |
研究概要 |
1.[背景] チトクロ-ムPー450遺伝子族は典型的な多重遺伝子族であり、哺乳動物一ゲノムあたり数十の遺伝子が存在する。これらは多様な生理活性物質を代謝する種々のPー450蛋白質をコ-ドしている。現在までに50近い哺乳動物のPー450遺伝子が単離されその全体的構造が明らかになった。また下等動物のものを含め約140分子種のPー450蛋白質の一次構造が知られている。 2.[成果] 現在までに発表されたチトクロ-ムPー450遺伝子、cDNAおよびアミノ酸配列をほぼ完全に収集した。これらをアミノ酸配列の比較に基づいて26のファミリ-、38のザブファミリ-に分類した。これらの結果から、現存するPー450分子種の起源は非常に古く、哺乳動物のPー450でもそれらの共通の祖先は真核細胞出現以前までさかのぼることが分かった。これまでの解析でPー450には数か所の保存部位が存在することを示してきたが、分子種の数が140に達しても基本的に以前の知見を確認するものであった。一方同じサブファミリ-に属するPー450mRNAの配列に着目し、アミノ酸置換を伴うものと伴わない塩基置換それぞれにつき配列上での分布を調べた。その結果アミノ酸置換を伴う変化が集中している領域が、以前Pー450camの三次元構造に基づいて予測した基質結合部位とよく一致していることが分かった。このことは、哺乳動物に見られるPー450の広範な分子多様性が、適応的進化によってもたらされたものであることを示唆している。 3.[今後の方針] 以上の結果からチトクロ-ム蛋白分子中の各部位ごとの役割がかなり明確になってきた。立体構造、基質特異性を決定する要因を更に細かく検討する必要がある。また遺伝子発現の制御に関わる諸因子の解析を進めたい。
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