研究課題/領域番号 |
02217218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
矢原 一郎 (財)東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 部長 (60109957)
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研究分担者 |
宮田 愛彦 (財)東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 研究員 (70209914)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ダイオキシン受容体 / グルココルチコイド受容体 / ストレス蛋白質 / アクチン / カルモデュリン / カルシウムイオン / 核内移行 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
ダイオキシン受容体は細胞質に存在する時、ストレス蛋白質HSP90と複合体を形成している。リガンド(例えばTCDD)が細胞に浸入すると、受容体に結合するが、それによって複合体は解離する。TCDDとダイオシン受容体は核内に移行し、特定のエレメントを持つプロモ-タ-領域に結合し、その遺伝子発現を制御する。この機構を追及するために、高比活性の放射標識化合物が市販されている(リガンドとして利用可能な)グルココルチコイドと同受容体(以下GRと略す)をモデル系として次の研究を行った。 1)モリブデン酸によって安定化された8SーGR(HSP90を含む)は重合アクチンと共沈澱する。一方、高塩濃度下にHSP90からフリ-になった4SーGRは重合アクチンと共沈澱しなかった。 2)8SーGRの重合アクチンへの結合は多量のHSP90によって阻害された。また、放射標識したリガンドを結合した8SーGRにHSP90を適当量加えると、加えたHSP90の量に比例して8SーGRの重合アクチンへの結合が減少した。 3)8SーGRの重合アクチンへの結合は、トロポミオシンあるいはカルシウム・カルモデュリンによって阻害された。 これらの結は8SーGRがその構成要素であるHSP90を介して重合アクチンに結合することを示している。 この研究によって次の解答が与えられた。GRは本来核移行シグナルを持つので核に移動するはずだが細胞算に分布する。これは8SーGRが細胞質のアクチン繊維に結合するためと考えられ、リガンドが8SーGRに結合すると、GRがHSP90から離れ(つまりアクチンからも離れ)核移行するのである。ダイオキシン受容体についても、まったく同じ機構が働いていると考えられる。
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