研究課題/領域番号 |
02218101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
鈴木 裕一 山形大学, 医学部, 助教授 (50091707)
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研究分担者 |
矢島 高二 ヤクルト中央研究所, 応用研究部, 副主任研究員
石川 誠 山形大学, 医学部, 教授 (40004783)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 短鎖脂肪酸 / 食物繊維 / 大腸 / 大腸分泌 / 大腸運動 / 腸内細菌 / 呼気水素ガス / 下痢 |
研究概要 |
食物繊維は、腸に対して良い面に関してもまた悪い面に関しても様々な影響を及ぼすと考えられている。本研究においては、大腸の主要な機能である吸収分泌及び運動機能と、食物繊維の腸内細菌による代謝産物である短鎖脂肪酸との関係に関して、以下のような3種類の実験を行った。1.ラット大腸に、透析膜で作った疑似糞を挿入し、透析膜内を短鎖脂肪酸を含む液で潅流すると、大腸運動の亢進と管腔内負電位の増大がみられた。このことより、管腔内の短鎖脂肪酸が、大腸運動の亢進とCI分泌の亢進を引き起こす効果があることが明らかになった。2.腸管一部切除ラット(コントロ-ル:回腸切除:盲腸切除:回腸盲腸切除)の各群につき術後1週目に以下の点につき検討した。下部結腸の糞便の水分含量は、この順に増えており、後者ほど下痢の傾向がひどかった。糞便のpHは下痢との相関はなかったが、糞便の有機酸の組成が、前二者では短鎖脂肪酸が主体であるのに対し、後二者では乳酸主体になっていた。さらに、in vitroの系で結腸水分吸収速度を測定したところ、管腔内液中に乳酸があると、短鎖脂肪酸の場合に比べ、水分吸収が落ちることも明らかになった。以上より、腸管一部切除によりなんらかの理由で腸内細菌叢が変わり、短鎖脂肪酸発酵から乳酸発酵に変化し、それが下痢を来す主要な原因であると結論された。3.ヒトのボランチアにおいて、難消化性ガラクトオリゴ糖TOSを摂取した後の直腸運動の変化を内圧法で測定した。同時にTOSが大腸に到達した発酵が始まる時間を呼気中の水素ガス濃度測定により求めた。その結果発酵が始まるにともない直腸運動が亢進する傾向がみられる事が明らかになった。
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