研究分担者 |
清野 裕 京都大学, 医学部, 助教授 (40030986)
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
小林 彰夫 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (40005591)
家森 幸男 島根医科大学, 教授 (80025600)
野口 忠 東京大学, 農学部, 教授 (50011937)
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研究概要 |
食品成分に対する生体の応答を、感覚,消化管、内分泌・代謝,自律神経・血圧などいくつかのレベルで研究した。種々の物質に対する嗅覚の識別能を慣れの現象で見ると,温度によって相異があり、膜の構造が関与する可能性が示された。また糖に対する味覚応答の食塩による促進機構で新しい知見を得た。次にラットにおいて香気物質の摂食への影響を観察し、butenolide,tーangelica lactoneはラットに誘引効果のあること、butenolide 0.1%餌料では摂食量の減少があることを観察した。次に高脂肪食のインスリン作用障害のメカニズムを検討し、インスリン・レセプタ-(IR)の数,ブドウ糖輸送担体には変化はないが、IRのチロシンキナ-ゼ活性が低下することを観察した。また食餌成分のEGFレセプタ-への影響についても研究したが、有意の変化は見られなかった。次にビタミンDはインスリン分泌に影響することが知られているが、インスリン遺伝子発現への影響をビタミンD欠乏ラットで観察した。その結果,ビタミンDはインスリンmRNAを増加させること、この効果は血糖の影響を受けることを観察した。更に食品成分の成長ホルモン(GH)分泌への影響を検討し、ブドウ糖は自然のGHのサ-ジを抑制するが最低値には影響しないこと、アミノ酸は少量ではブドウ糖のGH抑制作用に影響しないことを明らかにした。そして血糖TSHの動態から,ブドウ糖の作用はソマトスタチンを介するものと推測された。次に食餌因子とくにアミノ酸はIGFー1レセプタ-,IGFー1結合蛋白を変化させるが、mRNA量の変化は前者は脳で、後者は肝で顕著であった。次に脳卆中ラット(SHRーSP)においてアルギンが脳卆中を遅延させること、この効果はアルギニン由来の一酸化窒素と考えられる内皮由来弛緩因子を介する可能性が高いことを明らかにした。
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