研究課題/領域番号 |
02218108
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
筬島 豊 九州大学, 農学部, 教授 (00038184)
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研究分担者 |
佐々木 毅 愛媛大学, 農学部, 教授 (80036300)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 機能性食品 / ACE阻害剤 / 魚肉蛋白質 / 機能性ペプチド |
研究概要 |
多獲性で利用効率の低いイワシを対象として血圧上昇抑制効果を有するアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害ペプチドの調製とそのペプチドの単離並びに配列決定を行った。イワシすり身をホモジナイズ後、98℃で予備加熱処理を施し、各種プロテア-ゼで加水分解した。反応終了後98℃で15分加熱して酵素を失活させ、遠心分離の上清をろ過して各々の分解液を得た。in vitroでのACE阻害活性の測定は常法により、ウサギ肺ACE、合成基質としてヒプリルーLーヒスチジルーLーロイシンを用いて行った。最も高いACE阻害活性はペプシン分解液(Pー1)で得られ、その最適反応時間は5時間であった。Pー1をODS樹脂充填カラムに通し、水洗後、25%エタノ-ルで溶出した画分(Fー3)、さらにその溶出液を細かく分画することにより得られたFー3ー8に高いACE阻害活性が認められた。ネンブタ-ル麻酔下のラットにFー3ー8を静脈から前投与し、その後静注したアンジオテンシンIの昇圧作用に対する抑制率を測定した結果、Fー3ー8がin vitroだけでなく明らかにin vivoにおいても血圧上昇を抑制することが示された。次に、Fー3に含まれるACE阻害ペプチドをイオン交換、ゲルろ過、逆相HPLC等の5段階のクロマトグラフィ-で単離し、アミノ酸分析並びにアミノ酸シ-ケンスを行った。その結果、以下の3種類の新規ACE阻害ペプチドを同定した。Bー1 ValーLysーAlaーGlyーPhe,Bー2 LysーValーLeuーAlaーGlyーMet,Bー3 LeuーLysーLeu。ACEの反応を50%阻害する各ペプチド濃度IC_<50>は83、15、96μMであった。それらのアミノ酸配列のホモロジ-検索を行った結果、Bー1のペンタペプチドの配列はヒト、ウサギ、ラット、ダイズ等に存在する14種類のアクチンの配列に存在することが判明した。このことはアクチンに本来の筋収縮等とは異なる別の潜在的な生体調節機能が存在している可能性を示唆するものであった。
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