研究課題/領域番号 |
02218212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
竹下 正純 大分医科大学, 医学部, 教授 (50019551)
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研究分担者 |
吉田 敏 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50158440)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 脂肪酸縮合 / 脂肪酸伸長 / パルミチン酸ーCoA / バルミトレイン酸 / 20:1ーCoA / 18:1ーCoA / 18:2ーCoA / 14:1ーCoA |
研究概要 |
1.脂肪酸縮合反応の活性化 脂肪酸伸長系は4つの部分反応:縮合、還元、脱水、還元に分かれるが、調節点と考えられている縮合反応は動脈では伸長反応に対する比率が2.6%と非常に低く測定が不可能であった。本年度は、この縮合反応が煮沸したミクロソ-ムあるいは牛血清アルブミン(BSA)を添加することにより、添加しない場合に比べ約7倍活性上昇することを見出した。 2.脂肪酸縮合反応のパルミトレイン酸による阻害機構パルミチン酸ーCoA(16:0ーCoA)伸長反応がパルミトレイン酸ーCoA(16:1ーCoA)によって抑制される機構を解析するため、16:0ーCoA縮合反応のキネティックスを測定した。16:0ーCoAに対する縮合酵素のKmは23.3μMであり、先に測定したオ-バ-オ-ルの脂肪酸伸長反応のKm22.6μMにほぼ一致した。これに基質と等量の16:1ーCoAを加えたところ、16:0ーCoA縮合反応の阻害を示し、その阻害様式は非拮抗阻害であった。この結果は16:1ーCoAが16:0ーCoA縮合酵素の活性中心とは異なった部位に結合して反応を阻害していることを示す。 3.種々の不飽和脂肪酸による縮合反応の阻害16:0ーCoA縮合反応に対する不飽和脂肪酸の阻害の程度は20:1ーCoA>16:1ーCoA>18:1ーCoA>18:2ーCoA>14:1ーCoAの順であった。この順序は脂肪酸伸長に対する不飽和脂肪酸ーCoAの抑制とほぼ同じであった。 脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)に対し、16:1が延命効果を示したが、20:1について効果があるかどうかは興味がある。また低酸素状態における高血圧自然発症ラット(SHR)頚動脈内壁異常を16:1が回復したが、20:1についても調べてみる必要がある。16:1ーCoAは脂肪酸伸長反応の変換を介して血管壁細胞膜流動性の変化を修飾している可能性が考えられる。
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