研究課題/領域番号 |
02219106
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
山崎 博男 (財)東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (50013826)
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研究分担者 |
加藤 淳 東京医科歯科大学, 血液学, 医学部助手 (50183265)
斉藤 佑尚 東京工業大学, 理学部・生物化学, 助教授 (30134810)
諸井 将明 久留米大学, 分子生命科学研・生化学, 教授 (00049074)
大熊 稔 京都大学, 医学部・内科学, 教授 (50026986)
木幡 陽 東京大学, 医化学研究所・生化学, 教授 (30030852)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
23,800千円 (直接経費: 23,800千円)
1990年度: 23,800千円 (直接経費: 23,800千円)
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キーワード | 血小板 / 血小板膜受容体 / 血小板膜糖蛋白 / モノクロ-ナル抗体 / 免疫電顕 / コラ-ゲン / 遺伝子工学 / 血栓 |
研究概要 |
血栓形成における血小板の意義の解明において、血小板膜のコラゲン受容体はもっとも未解明の対象の一つである。山崎は従来コラゲン受容体として提唱されてきたGPIVの欠損者を7名発見したが、何れも出血性素因なく血小板機能も正常であり、GPIVの役割に否定的な成績を得た。諸井は、コラゲンへの血小板結合が、GPVI欠損者血小板および抗GPVI抗体存在下、抑制されることからGPVIの意義を示した。渡辺は多数の研究者がもっとも主要なコラゲン受容体と見なしているGPIa/IIa複合体の巨核球における生合成過程を明らかにした。斉藤はvon Willebrand因子のプロポリペプチドのコラゲン結合分子を決定し同ペプチドのコラゲン凝集における役割を推定した。フィブリノゲン結合分子であるGPIIb/IIIaについては、山崎は活性化時のα顆粒膜からの同分子の細胞膜面への移動がα顆粒内のフィブリノゲンの放出のキャリアとして重要であることを免疫電顕により示した。GPIIb/IIIaの欠損病態である血小板無力症について、加藤はGPIIbの異常分子構造により血小板表面にこの分子が発現されぬ症例を発見した。GPVはトロンビンによる水解基質として知られているが、蔵本はこれを精製しその一次構造をかなりの部分決定し、GPVの活性化時の役割を推定した。大熊は健常者、骨髄増殖性疾患者血小板でトロンボキサンA_2受容体を介する情報伝達機構を解析し、TXA_2不応症にてG蛋白の重要性を明らかにした。またTXA_2受容体数の増加がTXA_2感受性を亢進させることをみた。久米は抗CD9抗体が血小板を活性化する時、TXA_2産生がもっとも重要な経路であり、これには細胞内pHを制御する反応系が関与していることを示した。また木幡は第VIII因子の糖鎖構造を解析した。 以上血小板活性化反応における受容体構造、機能解析に本研究班の焦点があわされ、ほぼ満足すべき成果を上げることができた。
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