研究課題/領域番号 |
02220209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川崎 敏祐 京都大学, 薬学部, 教授 (50025706)
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研究分担者 |
伊藤 信行 京都大学, 薬学部, 助教授 (10110610)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 神経細胞 / 糖鎮抗原 / グルクロン酸 / 糖転移酵素 |
研究概要 |
神経細胞特異的グルクロン酸転移酵素の存在を見いだしその性質を明らかにした。 マウス脳ホモジネ-トをUDPーグルクロン酸( ^<14>C)を糖供与体とし、内存性基質あるいはラクトーNーテトラオ-スとアニリンのpーテトラデシル誘導体との還元アミノ化法による縮合体であるGalβ1ー4GlcNAcβ1ー3Galβ1ー4(Glu)ーNAcーPhーC_<14>H_<29>(PA_<14>)を受容体として37℃でインキュベ-トするとグルクロン酸は時間の経過とともに受容体に取り込まれた。反応生成物の同定は反応液をまずセファデックスLH20にかけ、素通り画分をHPTLCにかけ同定した。補助因子としてMn^<2+>を必要とし10mMのMn^<2+>存在下に最大活性を示し、EDTAの添加で活性は完全に抑制された。大脳、小脳、迷走神経、肝臓、胸腺、脾臓、腎臓について酵素の局在性を調べたところ、組織重量当たりでみると酵素活性は大脳=小脳>>迷走神経順であり、肝臓、胸腺、脾臓、腎臓には活性は見られなかった。また、白質、灰白質のあいだに活性に大きな相違はなかった。なお、同時に内存性基質への取り込みを見ると小脳>>大脳となり大脳にはほとんど内存性基質が存在しないことが判明した。基質特異性を調べたところ、Galβ1ー4GlcNAcーGalーGluーPA_<14>は良い基質となるのに対しGalβ1ー3GlcNAcーGalーGluーPA_<14>は全く活性を示さず、本酵素は非還元末端のGalβ1ー4GlcNAc構造を厳密に認識していること分かった。しかし、Galβ1ー4GlcNAc構造を非還元末端にもつ糖タンパク質のであるアシアロオロソムコイドは基質と成らず、本酵素はGalβ1ー4GlcNAcよりも内部の構造、おそらくはPA部分のような疎水性領域を必要とすることが判明した。細胞分画を行ない本酵素の細胞内局在性を調べたところ、ミクロゾ-ム画分に最も多く回収され、本酵素が細胞膜などの膜系に局在することが示された。
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