研究課題/領域番号 |
02223103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
遠藤 政夫 山形大学, 医学部, 教授 (40004668)
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研究分担者 |
栗原 敏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90057026)
大賀 皓 北海道大学, 獣医学部, 教授 (10001512)
大地 陸男 順天堂大学, 医学部, 教授 (10049025)
平 則夫 東北大学, 医学部, 教授 (60004553)
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
1990年度: 24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
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キーワード | 環状AMP / Aキナ-ゼ / Ca感受性 / ホスホジエステラ-ゼ / βー受容体 / ホスホランバン / Caチャンネル・リン酸化 / 胃平滑筋細胞 |
研究概要 |
環状AMPを介する細胞機能調節はAキナ-ゼ活性化による機能蛋白質リン酸化を介するタンパク構造変化によって行われる。心筋細胞においてはイソプロテレノ-ルとBay k 8644によるリン酸化はCaチャンネルの開口確率に対して異なった様式で作用することが示された(大地)。多田はAキナ-ゼによるホスホランバンを介するSRのCaポンプ調節機構を遺伝子工学的手法を用いて分子レベルにおいて解析した。Aキナ-ゼ活性化は心筋細胞クロス・ブリッジ・サイクリングには影響を及ぼさない(栗原)。また、胃平滑筋においても環状AMPはCa感受性減少効果をもつ(大賀)。一方、細胞レベルにおける環状AMPの意義は現在の大きな研究課題である。環状AMPはアデニル酸シクラ-ゼで生成され、ホスホジエステラ-ゼ(PDE)で直ちに加水分解されるので、intactな細胞内における環状AMPレベルは、局所的にも時間的にもダイナミックに制御されている。環状AMP加水分解酵素(PDE)には4つのアイソエンザイム(IE)が存在する。PDE阻害薬は少なくとも二つの修飾様態で機能を調節する。すなわち、薬物による直接的強心作用とβー刺激による作用に対する増強効果である。ラット心室筋においては、異なったIEがこれら二つの調節機構に関与している(遠藤)。また、βー刺激による環状AMP蓄積と機能調節に関しても新しい受容体サブタイプの存在が提唱されるに至っている(平)。これらの研究結果は、intact心筋細胞内における環状AMP代謝は特定のコンパ-トメントにおいて微妙に調節されていることを示す。血管平滑筋細胞においてもホルスコリン、ノルエピネフリンと新しいPDEーIII阻害薬E1020を用いて同様の結果が得られた(唐木)。これらのコンパ-トメントにおける環状AMP代謝酵素に選択的に作用することによりし、疾患治療に寄与する薬物を開発することが可能であろう。
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