研究課題/領域番号 |
02224111
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国学院大学 |
研究代表者 |
久野 マリ子 國學院大學, 日本文化研究所, 助教授 (90170018)
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研究分担者 |
久野 眞 聖徳学園岐阜教育大学, 講師 (20178023)
大野 眞男 岩手大学, 教育学部, 講師 (30160584)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 四つ仮名 / 鹿児島県枕崎方言 / 高知県中村方言 / 高知県安芸方言 / 大分県竹田方言 / 三つ仮名 / DAT録音 / 調査方法 |
研究概要 |
平成2年度には,次のような研究を行った。 1.四つ仮名方言の代表として、鹿児島県枕崎市、高知県中村市、同安芸市に臨地調査を行い,その方言の代表的な四つ仮名の発音を各地点それぞれ3名の話者についてDAT録音し、ビデオに収録した。 ○ 枕崎市では、65歳以上の生え抜きの話者20名について,謎々式の調査法で発音と仮名の意識を調査した。また,各話者について四つ仮名についての知識、関心、印象を合わせて聞いた。その結果、四つ仮名に関する関心の高さは、高知県の2地点の方が枕崎市より高く、高知県の中では安芸市よりも中村市の方が高かった。 しかし、個人差はあるが、四つ仮名の対立が最も明瞭に保たれている地点は、枕崎市である。ついで、中村市、安芸市の順である。安芸市が最も共通語化が進んでいる。 2.三つ仮名方言の代表としては、大分県竹田市で、65歳以上の老年層20名の調査を実施した。1969年『九州方言の基礎的研究』によれば、この地域は三つ仮名方言の地域であるとされている。今回の調査では三つ仮名の明瞭な対立は失われ、微かにある三つ仮名の名残を残す程度であった。 3.四つ仮名の消失の過程には3地点に共通する傾向がある。また、調査の場面によっても四つ仮名の現れかたは異なる。例えば、謎々式の調査では四つ仮名の対立が明瞭に保たれていた話者が、DAT録音のために読む調査になるとその対立が曖昧になる例や、その反対に謎々式ではジとヂの区別が曖昧な話者が、読む調査になると四つ仮名の対立が明瞭になる例が観察された。四つ仮名の対立には、仮名文字がその対立を支えるのに大きな影響力を持っている。
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